この商品について
中判カメラを整備・調整するときに,ピントを調整するための治具です.以下のような目的に用います.
・レンズを無限遠に設定した時に,ちゃんと無限遠にピントがあっているかどうか(フランジバック調整).
・スプリングカメラなどの距離計連動式カメラの距離計が,正しくレンズと連動しているか.
・一眼レフカメラのスクリーン位置やミラー位置が正しい位置にセットされているか.
この治具を使用するには,ニコンの FE/FM2, FM3A 等のためのフォーカシングスクリーンを用意する必要があります.汚れたり傷が入ったもので十分です.これを,本来の向きとは表裏を逆にして(マット面が下になるようにして)この治具に載せます.突起が収まるように置けば大丈夫です.載せたスクリーンが浮かないように,マスキングテープのような乗りが残りにくいテープで止めてください(きちんとスクリーンがはいると,周囲とスクリーンの手前面がツライチになるようになっています).調整中の様子の写真は,エンサイン オートレンジ 16-20 の調整をしているところです.
スクリーンのマット面は赤の点線の位置にセットされます.直圧式のカメラでは,画面の周囲の枠が B の位置に接することになります.また,トンネル式(フィルムが巻きぐせによって圧板に押し当てられることでフィルム位置が決まる方式)では,A の部分が圧板の位置を決めます.フィルムの位置は,圧板の位置から裏紙とフィルムの厚みだけ前進した位置になるため,フィルムの厚み D (富士フイルムの ACROS での実測値0.20mm)だけ A と B の位置に段差を設けてあります.
幅 X は,画面(撮影範囲)がかなり小さめのカメラでも問題ないよう 54mm にしてあります.Y はフィルムの幅に一致しており,Z は多くのカメラを採寸して検討した結果 68mm になっています.また短辺は40mm(画面内に入る部分は38mm)です.実際に調整したいカメラで使えるかどうかは,お手持ちのカメラの寸法を測って確かめるか,治具を加工してください.
なお,圧板に段差が付けられているカメラ(例:コダックメダリスト)など一部のカメラではピント位置がずれるため,なんらかの補正が必要となります.
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