家庭用3Dプリンターに対して抱えていた課題
まずは中島様の自己紹介をお願いいたします。
中島様:僕は2020年3月まで学生だったのですが 卒業してそのまま同じ研究室で、今は特任助教としてお世話になっております。
学生のころから、デジタル・ファブリケーション いわゆる3Dプリント関係の研究をやってきました。
論文を作成する際に最終的な出力物は必要になってくるのですが、今まではメーカーとしてはMakerBotのFDMタイプを研究室にいれていました。
ただ、それだと造形精度の限界を感じまして…。
その後、Form2をいれたのですが、 この様な家庭用に分類されている3Dプリンターの場合、大きいサイズの需要に答えることができなくなりました。
さらに、家庭用の3Dプリンターで大きいサイズのものを作成しようとすると造形が安定しないんです。
失敗することもあり、「確実に正確なものや精度の高いものを出すためには外注するのが早い」と思いました。
精度的な要件としては、より細かいもののほうが望ましいですか?
中島様:はい、以前に発表した論文の研究のアーカイブとして発注させて頂きました。
研究内容としては、こちらをご確認頂ければと思います!
樹脂造形物のような写真が映っていると思いますが、これは全て型で作っています。
なるほど!
中島様:型を3Dプリントして、その型にレジン流し込んで固めていいます。造形物を作るための型を3Dプリントしているので、相当な精度が必要になってくるというのがあって 、特に今回は発注したという経緯もあります。
「ISTオーストリア」という海外の研究機関にインターンでお世話になっている時にメインでやっていた研究ですが、研究機関がストラタシスのJ750というインクジェットの3Dプリンターを持っていて。それを利用した実績が、僕個人としてはありました。
その後国内で探しており、J750を扱っているのを明確に打ち出しているのが DMM.makeくらいでした。
だからJ750を使って、色々おこなっていたのですね。
中島様:他の業者さんも見比べたんですが、機種名や素材名を明確に記載してくれているところが少なくて。
DMMっていう大手の安心感がありますし。それでお願いしたって感じですね。
ありがとうございます。どれも型で作っているのですね。
中島様:白い型はオーストリアの研究機関がもっていたJ750でプリントした型を利用していますね。
共同研究で実施していたので、型の現物はオーストリアに置いてきています。
日本でやるためには、手元に型がないと紹介しにくい状況がありました。
DMM.makeを選んだ理由
では、課題解決のために具体的に検討したことはなんでしょうか?
中島様:実際にした内容としては、「既に持っていたForm2で事足りるのか?」スペックなどを出してみて、性能を確認しました。実際にやってみた結果、「やりたいことができない」ということがわかったので外注した感じですね。
外注先の選定としてDMMはJ750でプリントする事が明確に記載が合ったことが大きかったですね。
装置が明確であることがキーでしたか?
中島様:かなり重要なポイントです。
他に決め手となったポイントはありましたか?
中島様:実際に発注してみると、DMM.makeの担当者からのレスが非常に早く、事務処理のわずらわしさがすごく少なかったことが非常にありがたかったですよね。
業界にもよりますが、僕の場合、大学の予算を利用させていただいている為、大学からの確認があった際にレスが早いというのは 凄くありがたいですね(笑)
DMM.makeを継続している理由
ありがとうございます。その後も継続されて、活用された理由はありますか?
中島様:そうですね、手続きがスムーズに進む事がやはり研究者にとってストレスなくできるので 発注ハードルが低くなりますよね。
わざわざ他で進めるよりは、「スムーズにいったし、納期も早かったし、クオリティも問題なかったし…じゃあDMMさんにするか!」ってなりましたね(笑)
ちなみに、Web上に記載されている納期よりも、だいたい早くなるケースが多いので、驚いています(笑)
機械の空き状況に依存してしまうのですが、基本はワーストケースとして記載しているので、場合によってはすぐできるケースもありますね!
ものづくり業界の技術に期待していること
ものづくり業界の技術に期待していることはありますか?
中島様:僕自身が、技術をつくる側なので、なんともいえないですが、アーティストさん…なかでもフィギュアを作っている人とよく話しています。
複製をする時は、業者に出す事もありますが家庭用の3Dプリンターで出すことも多々あるようです。
ただ、それだと各個人の3Dプリンタのチューニングに相当依存するらしいので家庭用の3Dプリントのクオリティの底上げという方向もあるとは思います。
一方DMMのような3Dプリントのオンデマンドのサービスが何かしらの方法でもっと金額を抑える事ができれば、もっとものづくりが業界全体として活発化するのではないかと思っております!
技術的な話だと 3Dモデルの作成自体が、相当人力なのでその部分がアルゴリズムやプログラムを活用して楽になり、ものづくり全体の裾野が広がればよいなと思っております!
値段の部分は、生産能力が高くない機械なので 材料使用量が高まらないですよね。
中島様:3Dプリンター自体が、1点ものの技術ですからね。
それにくわえて、生産スピードが上がっている物もあるので、使う材料の量に比例して値段も落ちてくるのではないかと思っております。
中島様:あぁ、「もっとオーダーが入れば」ということですかね?(笑)
そうです! そうなると、DMMだけでなく他の企業さんも同じように大量に材料を使うことになるので、そうなればなるほどコスト低減になりますね。
中島様:2年~3年以内に実現しそうな話ではないですよね?
そういう意味では、すぐに値段を下げようとする場合は僕らのような技術側が支援するような技術を作ったほうが早いかもですね!(笑)