日本のものづくりの伝統を礎に世界をリードするLIXIL
まずは簡単に御社の事業を説明いただけますか?
K様:LIXILは皆様の豊かで快適な住生活に欠かせない商品の製造・販売をしています。
トイレや浴室、タイルなどの水まわりの製品を扱う「ウォーターテクノロジー事業」、窓やドア、エクステリアなどの製品を扱う「ハウジングテクノロジー事業」、キッチンやインテリア、洗面化粧台の製品を扱う「リビング事業」の大きく3つに分かれています。
2011年に日本国内の主要な設備機器・建材メーカー5社が統合して誕生したグローバルに展開するものづくり企業です。
K様は普段どのようなことをされていますか?
K様:私自身は、ビルのリフォーム用の窓サッシの設計・開発をしています。
普段は一般のお客様に向けた製品開発をしていますが、法人のお客様からオーダーを受けて特注品を作ることもあります。
御社の製品の特長を教えてください。
K様:私たちが提供している窓製品に関しては、アルミ樹脂複合構造で高い断熱性が特長です。さらに、ビルや高層マンションのリフォームも対応可能なのが弊社の強みです。
高層の建物は雨風が強いので性能が良いものが必要とされますが、それに対応した製品を日々開発しています。
特定顧客のために10個程度の部品が欲しい時、DMM.makeの3Dプリントサービスは魅力的
御社では3Dプリンターは導入されていますか?
K様:弊社でも複数台の3Dプリンターを保有していますが、強度の出るMJF方式のマシンはなかったこともあり、DMM.makeに依頼をしました。
自社で出力するとサポートの除去が大変なので、そういったところもお任せできるのはすごく助かりました。
ありがとうございます。どんな時にDMM.makeのような外注サービスをご利用されるのでしょうか?
K様:私たちは一般消費者に限らず、法人向けのお客様、たとえばオフィスビル、学校、病院など様々な場所に製品を納めております。
今回のオーダーについては、ある特定の法人様のご要望でした。
特殊な錠前を使用したドアを特別に作らなければならないというものです。
こういったケースでは他の既製品では代用できず、かつ数量も少量となるという課題がありました。
射出成型で部品を製作しようとすると金型コストが高くなってしまうので、3Dプリントサービスで必要な数だけ小ロットで安く作れるのは非常に魅力的でした。
ちなみにDMM.makeを知っていただいたきっかけは何でしたか?
K様:隣の部署でDMM.makeのサービスを使っており、実際に出力された部品も手に取って見ていたので「使ってみたい」と考えました。
新素材「PA12W ホワイト」を使ったご感想
改めて今回出力された造形物について教えてください。
K様:ビル用のアルミサッシ端部のキャップ部品をDMM.makeの3Dプリントで造形しました。
このパーツはアルミ部材端部を保護し接触によるケガを防止するといった役割があります。
通常であれば射出成型にて製作していたパーツです。
試作として造形しましたが、確認して問題なければ、最終製品として量産しようと考えています。その際もDMM.makeさんにお願いしたいと考えています。
ありがとうございます!
リリースしたばかりのMJFの「PA12W ホワイト」ですが、実際に手にされていかがでしたか?
K様:これまではグレーと黒でしたが、住環境になじむ色合いである白が出たことは良いことかと思います。色味としてはやや青みがかっていますね?
はい、黄変を防ぐためにそのような特徴がございます。一方で、染色もしやすくなっているので、弊社の指定9色+蛍光カラーをお選びいただくか、御社内でも製品の色に合わせて簡単に染色ができます。
K様:なるほど。あとは手触りとしては、事前の情報通りMJFらしいザラつきを感じましたね。
こちらは磨き加工もできますので、ぜひご案内させてくださいね。精度面についてはいかがでしたか?
K様:精度については申し分ないです!
今回はアルミに対し部品を篏合(かんごう)させている部分になるのですが、問題ない篏合具合になりました。
良かったです。「PA12W ホワイト」は何より密度が高く、耐候性に優れているので、今回のような窓に活用いただくにはベストな素材だったかと思います!
K様:それから、スピード感に関しても満足しています。
発注後のデータのチェックから納品まで非常に早く助かりました。
特に「PA12W ホワイト」は出力スピードも速いので、最短2日で届くように努めております。そういった観点からも多くの方に使われるのではないかと思います。
これからはメンテナンス部品を3Dプリンターで、長く使い続けられるように
これから御社では3Dプリントをどのように活用していきたいですか?
K様:より良い製品の開発を日々進めておりますので、何十年経ってもメンテナンスをしてお客様に長く使っていただきたいと考えています。
しかし、たとえば20~30年前の販売終了製品の部品金型を全て残していくのは非常に難しいです。
そういった時に部品の形状データさえ残っていれば造形ができる3Dプリントが使えるのではないかと考えています。