3Dプリントを導入した理由
早速ですが御社で3Dプリントを活用される際、社内でどんな課題があり、3Dプリントの活用に至ったかを教えてください。
登坂様:弊社の事業の1つで「ボブルヘッド人形」というプロ野球選手の首振り人形を作る事業があり、2010年頃から作成しております。
人形を製造するにあたり、以前は、顔写真(正面のカット)1枚から選手本人に似るように、造形をしていました。
なかなか、写真1枚から製造するという事でご本人様に似せるのが難しい状況でした。
チームやファンから「ちょっと、これ、似ているの?」という声があがっており、それ自体を課題に感じておりました。
その課題をどう解決すべきか社内で協議する中で、3Dプリンターを活用してモノを造形するという技術を知りました。ボブルヘッド事業に活用できるのではないかと思い、DMMの3Dプリントサービスの話を聞いてみることになりました。
ありがとうございます! 2016年のご発注以来、長くご利用いただいておりますが チームやファンの方々からの評判は変わりましたか?
登坂様:そうですね。 2016年にDMM.make 3Dプリンターを初めて活用し、ファンの方から「去年からクオリティがあがった」という声を聞き、球団も高いクオリティと最先端の技術を使用したことに喜びを感じてくれたと思います。
また、“3Dボブルヘッド”というフレーズを使うことで他社製のボブルヘッド人形と差別化できたので、ビジネスとしても「使える」という手ごたえを感じました。
ファンの方々にもご好評のようでうれしく思います。
DMM.makeを活用するようになった理由
3Dプリンター活用前には社内でどのような検討をされてきましたか?
登坂様:「3Dプリンターを活用するか」「別の手法で解決できるか」という2択を検討しておりました。
別の手法として写真から造形する際、今までは1枚の写真で造形していました。写真の枚数を増やし、造形のクオリティをあげようと試みましたが、写真によって選手の表情が異なっていると、骨の位置、目の位置、目の開き方などが違っています。
「どうしても完全再現に近しいもの作るというのは、写真を複数枚利用したとしても難しい」という結論に至りました。
一方、「3Dプリンターであれば、大枠の骨格さえしっかりすれば似てくるのではないか?」という仮説を検証いたしました。
写真からのデータ作成ならではのお悩みですね。では、3Dプリントを活用すると決め、DMM.makeを選んでいただけた理由はなんだったでしょうか?
登坂様:DMMで3Dプリンターのサービスがあるということは、以前から知っておりましたし、ホームページを拝見しました。
「3Dプリンターがどういったものなのか?」動画などで説明があり、わかりやすかったです。
かつDMMは3Dプリンター以外にも様々なサービスを展開しているという点から、弊社の課題を色々な角度から解決する提案をいただけると思い、発注を決めました。
ありがとうございます。恐縮です(笑)
ものづくり業界に期待すること
今後、 登坂様自身がものづくり業界に期待していることはありますか?
登坂様:スポーツ業界のビジネスを行っている中で、チーム・ファンに対しものづくりをおこなっております。
その場合、最優先で求められるのは「スピード感」です。
たとえば野球選手がホームランの記録を作ったとします。その場合「どれだけスピード感をもってグッズなどの製造に対応できるか」「突発的なイベントに対応できるか」が求められております。
そこで将来的には、3Dプリントが世の中の主流になり、金額面で折り合いがつくようになれば、全身3Dプリンターで人形を作るなど、検討してみたいと思います。
DMM.makeに期待すること
最後に、DMM.make 3Dプリントサービスに対し期待している事がございましたら、お聞かせいただけますか?
登坂様:概ね満足していますが、強いて挙げるのであればクオリティの安定化です。
現状は、あがってくるデータのクオリティにばらつきがある状況です。
修正対応自体はあって当然だと思っておりますが、1ヵ所なのか10ヵ所なのかで修正の工数は大きく変わってきます。
データの精度があがる事で、修正の工数を減らせ、今以上にスピード感をもって対応できると思います。
ただし、難しいのも理解しております…!
過去にあった例ですが、OB選手のボブルヘッド人形の制作をする案件でOB選手の写真データが粗い写真が1枚しかないという状況でした。 そこから、クオリティの高いものを作る必要がありました。
無茶ぶりなのも理解していますが、ご協力いただけますと幸いです(笑)