3Dプリンター活用で樹脂特有のヒケ・反りがなくなり、射出成形よりも割安に ビズステーション株式会社

普段から、DMM.make 3Dプリントサービスをご活用頂いている、ビズステーション株式会社の矢口様に、DMM.make 3Dプリントサービスのプロデューサーが弊社を活用頂いた経緯など、ざっくばらんにお話頂きました。

プロフィール

矢口 尚(やぐち ひさし)
ビズステーション株式会社 代表取締役。 長野高専卒。セイコーエプソン入社。技術部にて樹脂成型や金属加工などを学ぶ。独立し、現在のビズステーション株式会社設立。 販売管理ソフトウェアの開発販売サポートを主業とするが 2017年よりコンシューマ向け、GNSS製品を販売開始。 現在はセンチメートル級GNSS販売が急成長し2本目の柱になりつつある。 強みはハードウェアとソフトウェアを一貫して設計製造できること。 趣味はバイクと旅行。

量産用の金型を何個か作っていたが、コスト的な負担が大きかった

コスト削減と偏肉の許容性が高まった

樹脂特有のヒケ・反りがでないので組み合わせたときにぴったり合うんですよ。そういうところも含めてメリットが多いです。 きちんとデザインすればその通り出てくる

3Dプリント導入の決め手は「ヒケ・反りを考慮せず肉厚が取れるため」

本日はお忙しいなかお時間頂きありがとうございます。 早速インタビューを始めさせて頂きます。
まず最初に3Dプリントを活用する際に、どんな課題があったのかDMM.make 3Dプリントを活用した目的はどのような部分だったのでしょうか?

比較したものとしては射出成形やきちんとした金型アルミの簡易金型です。5,000個くらい作成できるものという点と販売数量がどのくらいになるのかという予測したところ、最終的に3Dプリントのほうが安いと思いました。

もともと3Dプリントは量産には向かないと言われていましたが、 DMMや他企業がサービスを始めたという事で試作品を依頼してみました。
正直、外観が射出成形とくらべてコントロールが難しいですが、自社製品は外観を要求する商材は多くなく3Dプリントでもいけるかなと考えました。

コスト面だと射出成形と比べて、3Dプリントのほうがだいぶ割高だと思いますが ご納得頂いている範囲内なのですか?

金型代が相当コストがかかるのと時間も相当かかるという点があります。3Dプリントのいいところもあり、ヒケや反りを考慮せず肉厚が取れるため、総合的に判断して3Dプリントのほうが良いかと思いました。
ただ価格的にもう少し安いと販売価格も安くする事ができるので、お客様も躊躇なく利用いただけるのではないかと思っております。

以前同じような製品を作っていたと思いますが、その際は金型や簡易金型を採用されていたのでしょうか?

簡易金型を実際に採用した事はなくて、量産用の金型を何個か作ってました。

その場合やはり5,000個程度作成して1個あたり数円ですか?

いえ、その当時は3Dプリントで量産という事自体検討していなかったので、そんな数量はでないですがちゃんとした金型を作っていました。

だいぶコスト的な負担が大きかったのでしょう。

だいぶ大きいです。100万円の金型だと商品を1,000個作っても、それだけで1個あたり1,000円くらい価格が上っちゃいます。実際は100円で出来ても金型代いれると1,100円になってしまいます。

金型代を考慮すると、3Dプリントのほうがリーズナブルだったという事ですね。

そうです。それに価格以外はほぼすべての項目でメリットのほうが多いです。
細かい寸法精度は出ないこともありますが、樹脂特有のヒケ・反りがでないので 組み合わせたときに、ぴったり合うんですよ。 そういうところも含めてメリットが多いです。 きちんとデザインすればその通り出てくるというところです。

金型だと偏肉を許容しずらい部分もあると思いますが偏肉の許容性は金型よりも全然あると思います。

あと今のPA12の樹脂はすごく剛性が高いので、そこらへんも凄くよいと思っております。

頑丈さも要求される部分ですか?

他の量産用の3Dプリンタで作成してもらったものもあるのですが、全然比較にならないくらい弱いのでいま作ってもらっているPA12は良いです。

今ガラス強化品もあるのですが、利用された事はありますか?

射出成形での経験はあるのですがPA12ではまだです。 過去サンプルは作ったことはあるのですがどうしても、外観的に更に悪くなるので弊社では利用していないです。

PA12のガラス強化品だと硬さがあるのとある程度エッジもでるんですよね。同じくHP向けの3Dプリンターであればプロダクション向けで用意しておりますので、もしお試し頂きたい場合はお声がけください。

でも費用はあがるんですよね?

いや、価格は同じで提供させて頂いております!

でしたら、検討してみます!

※ビズステーション株式会社様でDMM.make 3Dプリントサービスで部品の一部を制作

課題を解決するために行ったこと

課題を解決するのにどんな検討を社内で実施したのか? 例えば3Dプリントの中でもパウダーベッドフュージョンというものを利用されていると思いますが、FDMの様な機械、光造形、インクジェットなどあると思いますが その中でパウダーベッドフュージョンを利用するきっかけになった事はありますか?

僕自身含め社内のメンバーで3Dプリントに詳しい人はいない状況で。
実際に造形してもらったもの、現物をみてどうかっていう判断しかしていないんです。最終的に出来上がったものでどうかという評価をしました。

インクジェット方式だとぼろぼろで使い物にならない。FDM方式だとおりものの様な形になっていて表面的にはキレイですが、剛性にかける淵をみるとかけのような細かいものがあったりだとか。その中でHPさんでつくったものはベストとまではいかないが、問題はない出来でありました。

いろいろトライ&エラーをしていく中で、最終的にHPの商品を活用する事になったんですね。

そこまで経験は多くはないが、まぁ量産できる点でOKを出しました。
3Dプリンターと一口でいっても全然種類が違うので おしなべて、3Dプリントとしていうのはかなり問題だなって思います。笑

造形技術なので、一食淡ではないですね。

DMM.make 3Dプリント活用する決断をされた理由

だいぶ前なのですが、ホームページでデータアップロード、造形可否、樹脂の選択価格がすぐ出るという事ですぐ試せるという点がきっかけでした。
材料の選択で最初MJF方式のPA11も選んだんですが、剛性があるという点でMJF方式のPA12を選びました。
あとサンプルも購入して実際できたものをみたものをみて、従来3Dプリントとして考えていたものとは、全く別の次元だったのでそこからほとんど浮気していないです。笑

ありがとうございます。笑 ちなみにDMMのサービスはWebサイトを見て認識されたとお聴きましたが、プロダクション用のサービスについてもDMMのWebサイト上で情報を得たんでしょうか?

実は最初よくわからないまま、お願いはしたんですが、DMM.makeさんが対応してくれて100個くらい作ってくれて、そういう感じで作ってくれるという事をしりました。

※ビズステーション株式会社様でDMM.make 3Dプリントサービスで部品の一部を制作

ありがとうございます!では最後の質問をさせて頂きます。

DMM.make 3Dプリントサービスに対して期待している事は?

DMM.make 3Dプリントサービスに対して期待している事は? こんなサービスがあれば助かるのような事があれば伺えればと思います。

どうだろうな・・・笑
しいていうなら、塗装の部分を強化して欲しいです
今は染めるという作業かと思いますが、磨きや塗装でもいいのかなぁと思ってます。
試作なんかで、自社で塗装する事もありますが大きなブースがあればやりやすいのですが、そういったものは無いので塗装とかも行ってもらえると助かります。

あとは、、、
マスプロ用に、いつも教えてもらっているのですが 製品間の最低間隔とかワークの縦横高さの寸法とか、そういったものが 事前にわかっていれば、デザイン的に 寸法をわずか詰めるとコスト変わるとか、そういった事がわかるといいかなと思ってます!
僕は聞いてますがサイトの中でそういった事があればいいなと思ってます。

なるほど、コスト低減と品質向上をさせる為のガイドラインがあるといいって事ですね。

べたに並べたほうがいいのか、うえに積んだほうがいいのか その辺がわからない部分もあるので、、

それ、非常に難しいテーマなんですよね。。
ある程度厚みのあるガイドラインが必要だと思ってます。
どういったものがお客様に読んで頂けるのか?
製品を、アディティブの製造に対して最適化していただける場合は 我々から供給するのは、すごくいい事だと思いました。

そうですね。情報が多ければ多いほど、造形に関する理解も深まるかなと思いますし。

ありがとうございます。すごく参考になりました。



今回、インタビューをさせて頂き、3Dプリントをここまでご活用いただているという事に、驚きを覚えましたが、まだまだ多くの方にご活用頂く場合は、コスト面などの課題があるという事を、改めて認識させて頂きました。弊社としてもコスト面の課題については改善を図っていきたいと思います。

3Dプリンターの導入についてなどご質問・ご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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