「3Dプリンターでアクセサリーを自分で作ってみたい。でも作り方がわからない」
そんなお悩みを抱えていませんか?実は初心者でも3Dプリンターでアクセサリーを作ることができます。
この記事では、国内外の3Dプリンターを使ったアクセサリーの事例を紹介し、3Dプリンターでアクセサリーを作るときに押さえておくべき3つのプロセスと、具体的なサービスの活用方法をお伝えします。
あなたも3Dプリンターで素敵なアクセサリー作りに挑戦してみましょう!
初心者でも3Dプリンターでアクセサリーは作れる!
3Dプリンターを使う3つのプロセス
3Dプリンターを使用するためのプロセスは、大きく分けると3つしかありません。
- 作りたいものをイメージする
- 3Dデータを作成する
- 3Dプリンターで造形する
3Dデータを作成する必要があるので難しく感じるかもしれませんが、3Dデータを作成するためのCADソフトの中には初心者でも使えるものもあります。こちらの記事で詳しく取り上げているので、まずはチャレンジしてみるのがおすすめです。
3Dプリンターを買ってもデータが無いと造形できないので注意が必要
3Dプリンターでプリントするには3Dデータを準備する必要があります。3Dプリンターを購入しただけでは3Dプリントをできないので注意が必要です。
【1.作りたいものをイメージする】たくさんの作品に触れよう
さっそくアクセサリーを作るための1つめのステップをお伝えします。
1つ目のステップは、ずばり「作りたいものをイメージする」です。
「え?そんなの当たり前だよね・・?」という声が聞こえてきそうですが、イメージができていないと作りたいアクセサリーのデザインを描くことができません。
「でもどんなデザインがあるの?」そんな疑問にお答えするために、指輪やネックレス、イヤリング、ピアス、ブローチ、ヘアアクセサリーの事例集を集めました。どの作品も3Dプリンターならではのデザインです。こちらを参考にぜひ自由な発想であなたらしいデザインを思い浮かべてください。
リング5選
1.モード感たっぷりのかっこいいリング
こちらの大きいシルバーの指輪は3Dプリンターで作られています。製作者のAISATOさんは建築のバックグラウンドを持つジュエリーのデザイナーです。建築設計でも使用されるCGやCADの技術を応用して、どの角度から見ても美しいデザインで作られています。
2.地球儀のように回るリング
こちらの幾何学的なデザインの指輪は近くで息を吹きかけると回転します。回っているときも格子のような繊細な模様が浮かび上がります。
3.複数のリングがつながっているチタンのリング
3Dプリンターでは金属もプリントできます。このリングはチタンの3Dプリンターで出力されており、陽極酸化という技術で着色もされていてカラフルでカジュアルに仕上がっています。
4.手元にネコ耳が!となるリング
人差し指用のねこリングです。しっぽもついていてかわいらしいですね。素材や素材の色を変えてみると印象が変わりそうなデザインです。
5.手の上に彦根城!?お城のリング
何と彦根城のデザインの指輪!このような自由なデザインも3Dプリンターなら可能です。石垣の細部まで緻密に表現できるのも3Dプリンターならではです。彦根城リング専用の石垣スタンドもあり、彦根城リングにピッタリに作られています。
ネックレス5選
1.蝶々が羽ばたいているようなネックレス
こちらの作品もAISATOさんデザインのものです。3Dプリンターならではの曲線的なデザインが魅力的です。ナイロン素材なので蝶々の軽やかさとマッチしていますね。カラーで印象がガラッと変わるのも素敵。
2.繊細なレースのようなネックレス
すべてひし形の形ですが、大きさが少しずつ変わっていくデザインになっています。レースのように繊細なデザインながらインパクトのある大きさが魅力的ですね。
3.リボンがキュートなネックレス
リボンとシャボン玉のイメージで作られたネックレスです。リボンは3Dプリントならではのオリジナリティがあるデザインですね。
4.アミアミまで本物そっくり!な桃のネックレス
フレッシュでユニークな桃のネックレスですね。素材はナイロンで作られています。ナイロンはこちらのデザインだと重さがおよそ2gで金属アレルギーもなく、体への負担が少ない素材です。
5.ウロボロスをイメージしたネックレス
複数の円錐型のユニットがつながった状態で3Dプリントされたネックレスです。しかもチェーンがパーツのように動きます。このような複数のパーツが一体になったデザインは3Dプリンターでしか作れません。シンプルながらオリジナリティのあるネックレスですね。
イヤリング・ピアス5選
1.揺れる様子が軽やかで華やかな蝶々のピアス
先ほど紹介したDancing Butterfly Necklace( ダンシングバタフライネックレス)のおそろいのピアスです。ネックレスとおそろいで身に着けるとはっと目を引きますね。耳元で揺れるピアスは蝶々が舞う姿に似て華やかな印象です。鮮やかなカラー展開が6色あります。
2.シンプルながら華やかなスワンのピアス・イヤリング
横から見るとスワンの羽の形状が広がって見え、現代的なデザインです。複雑で精密なデザインは3Dプリントならではですが、このスワンのようにシンプルで現代的なデザインができるところも3Dプリントの魅力ですね。
3.花火のような華やかイヤリング
花火の華やかさをイメージしたデザインのイヤリング。3Dプリントならではの複雑な造形と和風の雰囲気がマッチしている、素敵なデザインですね。花火のデザインなので浴衣の季節にぴったり!
4.日本にしかない水引を現代の3Dプリントで表現したピアス
日本の伝統的な水引の梅結びを繊細に表現されています。和風のデザインも3Dプリントと相性がいいことに気づかされます。このピアスなら和装だけでなく洋装にも合いそうですね。
5.美しい幾何学曲線が個性的なピアス トップ
Tornadoつまり竜巻を一本の曲線で表現した幾何学的なデザインです。ナイロン製で重さはなんと1g以下!耳に負担をかけません。カラー展開は9色あります。
コサージュ・ブローチ
1.シンプルで大ぶりながら繊細さも兼ね備えたブローチ
ラティスとは格子形状のことでこのブローチにも表現されています。このような繊細なデザインは3Dプリントならではです。スーツのポケットチーフに飾っても素敵。
2.フランスの巨匠の絵からでてきたような花のブローチ
睡蓮の花をモチーフに製作されたブローチです。睡蓮といえばフランスの画家クロード・モネの絵が有名ですね。そのモネの作品に敬意を表して「モネ」という名前になったそうです。3Dプリントならではの繊細なデザインですね。このブローチをつけて美術館に行ってみませんか?
3.幸せを呼ぶ鹿のブローチ
鹿の角までしっかりと表現しながらあたたかな印象のシカのブローチです。3Dプリントならではの立体感と少し微笑んで見えるシカが魅力的です。ラペルピン(スーツの下襟にあるフラワーホールにつけるアクセサリー)としても素敵なアイテムですね。
4.ジンチョウゲを見事に表現したコサージュ・ブローチ
咲いている花とほころびはじめたつぼみが複雑に折り重なったデザインが素晴らしい作品ですね。ここまでの繊細なデザインも3Dプリントなら造形可能です。
5.ふっくらボリュームのあるくものブローチ
ふっくらボリュームがあるのに軽量(写真のデザインだと約6~7g)なので、どんなアイテムにも留めることができます。立体的にふっくら形状など、きれいな曲面を再現できることも3Dプリントの魅力の一つです。
ヘアアクセサリー5選
1.華やかでインパクトのあるヘッドピース
先ほどのブローチと同じラティス(格子状)のデザインです。華やかでインパクトのあるデザインなので結婚式などにピッタリですね。ラージとスモールサイズの2サイズ展開ですが、まったく同じ形でサイズを変えられるのも3Dプリントならではです。
2.繊細で個性的なブライダルにおすすめの髪飾り
菊と松のモチーフを現代的にデザインしたこちらの作品はため息が出るくらい繊細ですね。一枚一枚の花びらや細かい松の枝を表現できるのは3Dプリンターならではです。大きくてもナイロン自体が軽いので付け心地もいいはず。
3.円でデザインされたシンプルなヘアクリップ
日本の家紋をモチーフにしたデザインです。とてもシンプルでありながら和風にもモードにも印象を変えられる素敵なデザインですね。シンプルなデザインも3Dプリントならおしゃれに仕上がります。
4.めしべおしべの一つひとつまで繊細な大輪のひまわり
めしべおしべを一つひとつ立体的にデザインされています。繊細でありながらふっくら感を両立させられるのも3Dプリンターならではですね。比較的大きなサイズですが、ナイロンのため軽量に仕上がっています。
5.宮沢賢治の名作をイメージしたかんざし
こちらの作品は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフに作られています。汽車の部分が本当に緻密にデザインされていますが、このようなデザインを表現できるのは3Dプリントならではですね。浴衣はもちろんのこと、洋服に合わせても素敵。
【2.3Dデータを作成する】はじめての3Dデータ作成はシンプルなデザインから
頭の中で作りたいものをイメージできたでしょうか?イメージが出来たら次にやることは3Dデータ作成です。
もしあなたが「いつか販売したいな」と思っているなら、はじめてでも自分で3Dデータを作成することがおすすめです。もちろん既存のデータを活用することもできますが、販売するときに権利がややこしくなりますし、なによりあなた自身のオリジナリティがなくなってしまいます。デザインをシンプルにすれば決して難しくないのでチャレンジしてみましょう。
3Dデータの作成方法は5種類ある
3Dプリントの作成方法は5種類あります。3Dデータの作成方法についてはこちらの記事をお読みください。
自分にピッタリの作成方法を以下のフローチャートでチェックしてみましょう。
3Dデータの作成は実はお金をかけずに独学できる
「3DCADソフトは難しそうだし、習うのにお金もかかりそう・・」そう思われる方も多いかもしれません。しかし最近はYouTubeやSNSを活用してお金をかけずに独学されている方もいらっしゃいます。
しかも3DCADソフトのFusion360は個人利用ならば無料で使うことができるのです。自分で3Dデータを作成できれば、自分の頭の中にあるイメージをお金をかけずに自分で作ることができます。これを機に3DCADソフトにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
個人用Fusion360
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/personal
シンプルデザインの3Dデータ作成イメージ
具体的にどんな流れで3Dデータをつくるのか、イメージがわかないかたも多いと思います。ですが、シンプルな形であれば線を書いて押し出すだけも3Dデータを作ることができます。例としてペンギンのチャームをFusion360で作る流れを見てみましょう。
まずはスケッチを書きます。押し出す面を囲う線は途切れると押し出せないので気をつけてください。途切れなく線で囲われた面は薄い青色になります。チャームを金具に取り付ける輪っかも忘れずに…。
次に、囲われた面ごとに「押し出し」とよばれるツールで厚みを付けていきます。輪郭線の面は内側の面に対して少し厚みを大きく押し出していくときれいに形が浮かび上がっていきます。
すべての面を押し出したらバラバラのパーツを「結合」ツールを使ってひとつにしてペンギンのチャームが完成です!3Dプリントをするにはstlというファイル形式で書き出してください。
【3.3Dデータで造形する】初心者がアクセサリーを作るなら3Dプリントサービスがおすすめ
3Dプリントでアクセサリーを作る方法
3Dプリントデータを作成したら次は造形、つまり立体的にプリントしていきます。3Dプリントサービスを利用する方法と3Dプリンターで自分で造形する方法があります。機能面の違いをまとめてみました。
家庭用プリンターは「熱溶解(FDM)方式」と「光造形方式」の2種類が人気です。方式とは「積層方式」のことで、これによって作られる材料や用途が変わってきます。
3Dプリントサービス | 熱溶解積層(FFF)方式 | 光造形方式 | |
---|---|---|---|
仕上がり | プロが造形、高品質 | 積層痕が目立つ | 積層痕が少し目立つ |
初期費用 | 無し | 5−10万円台 | 5−10万円台 |
造形費用 | 都度発生 | 材料費・電気代 | 材料費・電気代・消耗品 |
出来上がるまでの時間 | 最短3日〜 | アクセサリーサイズで 数十分〜1時間程度 |
アクセサリーサイズで 数十分〜1時間程度 |
材料の種類 | 20種類以上 | 熱可塑性樹脂(フィラメント) | 紫外線硬化性樹脂(レジン) |
造形前の準備 | 無し | 組み立てや調整が必要 | 調整や温度管理 |
造形中 | 無し | 振動や音、においが発生 | 振動や音、においが発生 |
造形後の後工程 | 無し | サポート除去や メンテナンスが必要 |
サポート除去や洗浄 メンテナンスが必要 |
3Dプリンターは電子ポットや電子レンジくらいの大きさの場合もあります。家に置けるかサイズを確認しましょう。また造形中にお子さんが触らないか?など気を付ける必要もあります。造形の様子はYouTubeなどで見ることができますので、チェックしてみましょう。ぜひ、あなたにあった方法を選んでくださいね。
買うには高い、いろいろ試したい!3Dプリントサービスがおすすめ
「いきなり3Dプリンターを買うのはハードルが高い」
「素材の違いや色違いをいろいろ試してみたい」
など購入するにはハードルがあるけども3Dプリントをしてみたい方には、低価格で1個から注文ができる3Dプリントサービスを使ってみると良いかもしれません。
3Dプリントサービスを利用すれば、個人での導入が難しい高品質な産業用3Dプリンターを使うことができる、というメリットもあります。
また、購入する3Dプリンターによっては組み立てや調整に多くの時間を要して、目的の3Dプリントをするまで苦労をすることもあります。3Dデータ作成に注力するためにも3Dプリントサービスがおすすめです。
いきなり何万円もする3Dプリンターを購入する前に、数千円から注文可能な3Dプリントサービスの利用と比較してみるのも良いでしょう。
なかでもおすすめはDMM.make
1.豊富な素材
目的や利用シーンに合わせて樹脂、金属など20種類以上の素材を選べるので、イメージ通りのものを3Dプリンターで実現することができます。 また素材サンプルもご用意しておりますので、質感などを確認した上でご注文いただくことも可能です。 素材も随時追加しておりお客様に多種多様な選択肢をご提供していきます。
2.短納期
国内のプリントセンターから日本全国送料無料にて短納期配送を行っております。 また、選択素材や受注状況によりますが、最短3日〜発送対応が可能な即納サービスもご利用いただけます。 短サイクルなプロダクト開発のニーズにも応えていきます。
3.作品を出品できる
出品料はありません。 また、在庫は持たずに完全受注生産です。 ユーザーから注文が入ってから、造形を開始してお届けとなります。 出来る限り気軽に利用でき、クリエイターとユーザーの交流の場となるよう、クリエイターズマーケットは存在しています。
4.さきほどのペンギンのチャームは1,226円〜
参考までにさきほど例としてご紹介したペンギンチャームをDMM.makeで見積もってみました。見積もり方法は会員登録をして書き出した3Dデータをアップロードするだけ。縦5cm、横3cm、厚みは2mm程度のこの3Dデータは一番安いナイロンという素材で1,226円でした。
まとめ
3Dプリンターを使用するには、3つのプロセスが必要です。
- 作りたいものをイメージする
- 3Dデータを作成する
- 3Dプリンターで造形する
1.作りたいものをイメージするには?
たくさんの作品に触れましょう!3Dプリントで表現できるデザインは幅広いので、ぜひあなたらしいデザインを思い浮かべましょう
2.3Dデータを作成するには?
もしあなたが「いつか販売したいな」と思っているなら、はじめてでも自分で3Dデータを作成することをおすすめします。デザインをシンプルにすれば決して難しくないのでチャレンジしてみましょう。お金をかけずに独学も可能です。
3.3Dプリンターで造形するには?
3Dプリントサービスを利用する方法と3Dプリンターを使う方法があります。購入する3Dプリンターによっては組み立てや調整に多くの時間を要して、目的の3Dプリントをするまで苦労をすることもあります。3Dデータ作成に注力するためにも3Dプリントサービスがおすすめです。
この記事を読んで、ぜひ3Dプリントのアクセサリー作りにチャレンジしてみてくださいね!