新素材・MJFの「PA12W ホワイト」についてご紹介します。
DMM.makeでもトップクラスの人気を誇るMJFシリーズに、従来の素材よりさらにパワーアップした「PA12W ホワイト」がアジア初・導入決定！ 世界からも注目されているこの素材の実際のサンプルを比べながら、魅力やおすすめの用途などを紹介していきます。
「PA12Wホワイト｜MJF」基本スペック
HP社独自のマルチジェットフュージョン方式（Multi Jet Fusion）、通称MJFは粉末状の素材を積み上げて加熱し、樹脂を融合させています。そのため異方性が出ず、高強度の造形が可能となるのです。
これまでDMM.makeでは工業製品に適しているPA12、PA12GB、PA11をMJFで造形してきました。これらのナイロン素材は製造業においても広い用途で使われており、自動車や航空宇宙領域においても最終製品として選ばれています。
| 得意なジャンル | 工業部品、インテリア製品、デザインアイテム、医療製品 |
|---|---|
| カラー | ホワイト、イエロー、オレンジ、グリーン、パープル、ピンク、ブラック、ブルー、レッド、蛍光イエロー、蛍光グリーン、蛍光ピンク |
| 価格帯目安 | 安い |
| 質感 | ざらざら |
| 中空構造 | 可。ただし材料を抜くため直径10mm以上の穴が必要です。また穴が開いていてもモデルの構造上、製造出来ない事がある事を予めご了承ください。 |
| 造形可能な最大サイズ | 縦380mm×横380mm×奥行284mm |
| 発送目安 | 7～10日 ※即納サービス対象素材 |
「HP Jet Fusion 5420W 」は白色のナイロン素材が出力可能となった最新マシンです。
DMM.makeは3Dプリンターメーカーと強い信頼関係を築いているため、アジア初導入が叶いました。
生体適合も！ 複数の規格をクリア
「PA12Wホワイト｜MJF」は以下の規格・試験をクリアしています。
- REACH
- RoHS
- PAHs
- ISO10993-4（血液適合性）
- ISO10993-5（細胞毒性）
- ISO10993-10（感作性／刺激性／皮内反応）
- ISO10993-11（急性全身毒性）
次の用途で使用が可能です。
- 30日を超える皮膚への接触
- 24時間以内の粘膜、損傷表面、間接的血液流路、歯質＆組織＆骨への接触（※破片や未除去の粉末材料が体内に残存しないようご注意ください）
「PA12Wホワイト｜MJF」の3つのポイント
では、従来のMJF素材であるPA12、PA12GB、PA11と比較して、「PA12Wホワイト」は何が変わったのでしょう？
データや写真を見ながら3つのポイントを解説していきます。
高精細の美しいホワイトカラー、染色も可能
これまでのMJFシリーズではブラックやグレーのみの展開でした。そのためカラーがキレイに染まらず、ブラックの染めのみを提供していました。
この度の「PA12W ホワイト」では、その名の通り美しいホワイトカラーを出力できます。
シーンを問わずインテリアやアパレル製品でもご利用いただけます。
またホワイトカラーはカラーの染色が可能となり、様々なデザインの製品への使用も叶います。
高い耐候性
SLS (Selective Laser Sintering：粉末焼結積層造形) 方式で出力された白色の素材と比較してみると、黄変しにくく優れたホワイトの色安定性がわかります。
また印刷後も80～90%の延性を維持できるとHP社の試験によって確認がされています。
最終製品に使える強度（弾性・伸び・耐熱データ）
従来のMJF同様、最終製品に使える強度が実現しています。
ぜひこの数値を参考にしてみてください。
選べるオプション
- カラー
ホワイト、イエロー、オレンジ、グリーン、パープル、ピンク、ブラック、ブルー、レッド、蛍光イエロー、蛍光グリーン、蛍光ピンク
- 磨き
バレル研磨をおこないます。
精度比較サンプル
これまでも「MJFは他のナイロンと比べて上位互換の素材」とお伝えしてきました。さらにグレードアップした「PA12W ホワイト」のサンプルを見ていきましょう。
触ってみるとその違いは歴然です。ぜひサンプルを触ってみてください！
また精度比較サンプルを見ていくと、粉末焼結積層造形らしい粒が見て取れますが、磨きによって滑らかになります。
「PA12ホワイトW」はMJFのいいとこを享受できる一方で、マットで光を通さない特徴があるので、その点を理解して使い分けてください。
ランプシェードなどを作りたい場合はSLSで出力したものを、光が漏れないようにしたい場合はMJFの「PA12ホワイトW」などと用途によって造形方式・素材を考えてみてくださいね。
染色したサンプル
これまではカラーの染色をおこないたい場合はナイロン、エコノミーナイロン等をご案内していました。MJFの強度でカラープリントができるようになったことに喜ばれている方も多いのではないでしょうか？
ご自身で染色することも可能ですよ。染色方法について詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。
オススメの用途
MJFシリーズは安定した造形精度と強度があり、DMM.makeで取り扱いのある素材の中でも量産にオススメできます。また最終製品や強度部品など様々な用途で活用いただけるでしょう。
高精度のため、カスタムメイドの医療部品にもご利用いただけます。
また強度がアップした「PA12Wホワイト｜MJF」は、毎日繰り返し使うような物にも適しています。
最終製品にも使える美しい白さの「PA12Wホワイト｜MJF」、もしかしたら皆さんの周りでも当たり前に使われているようになるかもしれませんね！
2023年5月29日現在、アジアで「PA12Wホワイト｜MJF」を出力できるのはDMM.makeだけ。ぜひみなさんも、最先端の3Dプリンターと新素材をぜひお試しください！