DMM.make 3Dプリントで扱える素材を紹介する本シリーズ。今回のテーマは「フルカラーマルチマテリアル」(旧名称:フルカラーアクリル)です。造形サンプルを見ながら、特徴やオススメ用途などを解説していきます。
「フルカラーマルチマテリアル|MJT|J750」(フルカラーアクリル)基本スペック
高精度かつ高再現性を持つ、フルカラーマルチマテリアルです。 VeroUltra(オパックカラー)を使用した素材で、 旧来のマルチマテリアルよりも格段に色の再現性が向上しています。 磨きなどの後加工を行うことで、ツヤを出すこともできます。
DMM.makeでは2023年より素材メニュー名を「フルカラーマルチマテリアル|MJT|J750」と改め、これまでは「フルカラーアクリル」の名称を用いていました。
得意なジャンル | モックアップ、フィギュア、アクセサリー、什器 |
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カラー | フルカラー (CMYKの組み合わせ) |
価格帯目安 | やや高い |
質感 | なめらか |
中空構造 | 可。ただし材料を抜くため直径10mm以上の穴が必要です。また穴が開いていてもモデルの構造上、製造出来ない事がある事を予めご了承ください。 |
造形可能な最大サイズ | 縦490mm×横390mm×奥行200mm |
発送目安 | 3~10日 |
CMYKの組み合わせによるフルカラー印刷が可能で、パントーン社認定の 60万色以上の造形可能 な PANTONEカラーや、SkinTonesTM カラーを指定可能です。
フルカラーマルチマテリアルは一貫した色と最良の色精度を実現するために、表面の厚さは 2mm 以上を推奨しています。2mm 以下の場合、色の再現性が落ちる場合がございます。
フルカラーデータの作成
フルカラーマルチマテリアルの造形にはフルカラーデータの作成が必要となります。
以下に参考動画と記事を載せておりますので、ぜひご覧ください。
3Dモデルのカラーデータ作成方法をDMM.make3Dプリントが解説!
2種類の造形モード
無料で利用できる3Dプリントソフトウェア「GrabCADPrint」 を利用することで、グロッシー造形(光沢あり)が可能です。特にご指定がない場合はマット造形(艶消し)となります。マットで造形した場合、モデル全体にサポートが付着するため、グロッシーに比べて若干くすんだような色味になり、鮮やかな発色を表現するためにはお客様側での後処理が必要となります。
後処理として研磨やクリアラッカーの塗布をすることによって、発色が鮮やかになります。後処理が手間になる場合は、グロッシーでの造形がおすすめです。
【動画解説】3Dプリンターのアクリル素材をさらに透明にする研磨方法
DMMのサービスで使用可能な材料がセットアップされた、GrabCADPrint のプロジェクトファイルは以下からダウンロード可能です。
オーダー用GrabCADプロジェクトファイル
(クリックすると、ZIPファイルがダウンロードされます)
入稿時には3DデータとGrabCADデータを1つのファイルに格納し、ZIP形式に圧縮してください。
対応可能な3Dデータ:STL、wrl、obj 形式(wrl、objにはGrabCADデータは不要です)
GrabCADデータ: PRINT (.print) 形式
その他、細かな条件はデザインガイドラインを参照してください。
サンプルチェック
フルカラーマルチマテリアルの造形サンプルを見てみましょう。フチのグラデーションは鮮やかで、3Dプリントらしいザラつきなども見当たりません。中央の白い部分の凹凸なども、綺麗に仕上がっていますね。
フルカラーマルチマテリアルは、旧来の「マルチマテリアル」からリニューアルを行いました。写真左の旧方式と比較すると、右側の「フルカラーマルチマテリアル」では発色が鮮やかになっていることがわかります。
おすすめの用途
発色が鮮やかなフルカラーマルチマテリアルは、プロダクトのモックアップやフィギュアなど、多岐にわたって活躍します。高い色の再現性を、仕上がりのイメージを伝えたり、鮮やかなキャラクターを作るために活用してみましょう。
ぜひみなさんも、フルカラーマルチマテリアルの特性をいかしたものづくりに挑戦してみてください!