先日、DMM.make 3Dプリントサービスに、多くのお問い合わせをいただいていた待望の新素材「ブラックナイロン-PA12|SLS」が一般ラインナップとして追加されました!
優れた耐熱性、高靭性、高強度を兼ね備えたエンジニアリングプラスチックでありながら、これまでのナイロン造形で課題になりがちだった「色」と「サイズ」の制約を大きく打ち破る、非常に強力な素材です。
プロトタイプの機能検証から最終製品の実機パーツまで、幅広い産業分野で活躍する本素材の魅力と特長を詳しくご紹介します。
1. 最大の魅力:芯まで黒いから「傷ついても白浮きしない」

従来のナイロン素材で黒いパーツを作る場合、白いナイロンを造形後に「染色」するのが一般的でした。しかし、染色パーツは表面に傷がついたり、長期間の使用で摩耗したり、あるいは研磨や切断加工すると、内部の白い素地が見えてしまう場合がありました。
今回登場した「ブラックナイロン-PA12」は、原料の粉末そのものが黒色です。
そのため、後工程での染色が不要なだけでなく、万が一深い傷が入ったり、削ったりしても、内部から白い色が見えることはありません。
この「高品位な外観を長期間維持できる」という特性は、人の目に触れる家電の筐体や、摩擦が生じる可動パーツ、ラジコンやドローンの外装など、ハードに扱われるパーツにとって最大のメリットとなります。
(※表面はSLS特有の粒子状のザラつきがある質感となります)
2. SLS方式ならではの「設計自由度」
本素材は、SLS(粉末床溶融結合)方式で造形されます。
レーザーで粉末を焼き固めていくこの方式では、造形中の粉末自体がサポート材の役割を果たすため、FDM方式や光造形方式のようにサポート材がついた面を後から研磨する必要がありません。
これにより、複雑な形状を、サポートが必要な素材と比べて比較的自由に設計可能です。
(※中空の場合は内部の粉を抜くため直径5mm以上の穴が必要です)
3. 従来のSLSを超える!最大900mmの超大型造形に対応
「ブラックナイロン-PA12」は、最大で「縦900mm × 横400mm × 奥行400mm」という超大型サイズの出力に対応しています。
これまで分割して造形し、後から接着しなければならなかったような大型のパーツや長尺のカバーなども、一体造形で出力可能です。大型で高強度な黒色パーツをそのまま実用化したいというニーズに強力にお応えします。
(※330mm × 330mm × 380mm を超える造形に関しては、適切な納期と価格をお伝えするため、別途お問い合わせをお願いいたしております。)

4. エンジニアリングプラスチックとしての確かな性能
高い耐熱性と靭性を持ち、負荷のかかる環境での使用にも耐えうる機械的特性を備えています。また、造形後の歪みが少なく、高精度な嵌合(かんごう)が期待できます。
【物理的・熱的特性(代表値)】
- 引張強度: 46 MPa
- 破断伸度: 36 %
- 曲げ強度: 46.3 MPa
- 曲げ弾性率: 1300 MPa
- 衝撃強度 (ノッチ付): 4.9 kj /m2
- 衝撃強度 (ノッチ無): 13.2 kj /m2
- 荷重たわみ温度 (0.45 MPa): 145 °C
- 融点: 183 °C


※あくまで本形状での結果です。結果は形状によって異なるため、安定した再現を保証するものではございません。推奨厚みはデザインガイドラインをご確認ください。
5. 幅広い活用シーン
本素材はプロトタイプから多品種少量生産の最終製品まで国内外で幅広く活用されています。
- 自動車パーツ: インパネ周辺、ダッシュボード、ミラーハウジング等の機能・構造検証
- 家電製品: エアコン、掃除機、調理家電等のモックアップ筐体
- 産業機器: 治具、電動工具のハウジング、計測機器のパーツ
- デザインモデル: 複雑な形状を要する照明器具、インテリア、展示用模型
造形仕様・サービス詳細まとめ
| 項目 | 詳細 |
| 造形方式 | SLS (Selective Laser Sintering) |
| 推奨最小壁厚 | 0.8mm |
| 最大造形サイズ | 900mm × 400mm × 400mm |
| 表面仕上 | 粒子状の質感(ザラつきあり) |
| カラー対応 | 染色非対応(地の色が黒色のため) |
「染色による色落ちや白浮きが気になっていた」「強度の高い黒色パーツが欲しい」「大型部品を一体で出力したい」——そんな課題をお持ちの方は、ぜひ新しい「ブラックナイロン-PA12|SLS」をお試しください!
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