【射出成形金型にも】DMM.make 3Dプリント素材紹介「ABSライク|MJT|J750」編

ABSライクで作成したハサミとカラーバー

DMM.make 3Dプリントで扱える素材を紹介する本シリーズ。今回のテーマは「ABSライク|MJT|J750」、別名「Digital ABS Plus」です。造形サンプルを見ながら、「ABSライク」の特徴やオススメ用途などを解説していきます。

「ABSライク」基本スペック

高精細なABSライクサンプル造形

「ABSライク」とはストラタシス社の3Dプリンター「J750」のポリジェット方式で出力されたABSに近い物性をもった樹脂素材です。RGD515、RGD513を混合した素材で耐熱性と強靭性に優れています。
また3Dプリント樹脂型を用いて射出成型をおこなうためのモールドとしても使用されています。

得意なジャンルプロトタイプ、工業製品、機能試作、鋳型
特徴高精度、耐久性
カラーナチュラル(ホワイト)、レッド、ピンク、ブルー、パープル、ブラック、オレンジ、イエロー、グリーン
価格帯目安普通
質感なめらか
中空構造可。ただし、サポート材料を抜くため直径5mm以上の穴が必要です。また穴が開いていてもモデルの構造上、中空内にサポート材料が残る場合があることを予めご了承下さい。
造形可能な最大サイズ縦200×横490×奥行390(mm)
発送目安2〜12日
「Digital ABS Plus(デジタルABS Plus)」との名称を用いることもあります。

参考:ストラタシス「PolyJet式3Dプリンタ用材料 デジタルABS Plus」

ABSライク(染色無し)は櫛のような細さでも再現可能
形状先端は最小幅で1mm程度まで再現可能です。
無色のモデルは最大造形サイズで造形が可能ですが、サイズが1辺100mmを超えるモデルは染色むらが出る為にカラー造形不可とさせていただいています。

カラー

白、黒、黄色、ピンク、緑、オレンジ、赤、青、紫色のカラーバーABSライクサンプル
染色はレッド、ピンク、ブルー、パープル、ブラック、オレンジ、イエロー、グリーンからお選びいただけます。

その他の細かな条件はデザインガイドラインを参照してください。

「Stratasys J750™」でできる!フィギュアだけじゃないカラー3Dプリントのアイデア9選

REACH/RoHS/PAHs の規格に合格

「ABSライク|MJT|J750」素材ページは、以下の規格に合格をしています。

  • REACH(EUで定められた化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する規則)
  • RoHS(特定有害物質使用制限指令)
  • PAHs(多環芳香族炭化水素)

今注目の3Dプリント製射出成形金型とは

3Dプリントといえば、モックアップや試作品など要求水準が低い場面での活用をイメージされる方が少なくないでしょう。
しかし、近年では3Dプリント、つまりデジタルで金型も十分に作れることが実証されています。
その射出成形金型の製造の素材として主要の素材の一つとして「ABSライク」が選ばれています。

こちらの動画では、従来の金属金型に代わり、3Dプリント製の型でブロー成形(中空成形)をおこなう方法を紹介しています。

参考:Hubs“3D printed injection molds: Materials compared”

利用事例・活用シーン

「ABSライク」の用途として、第一にここまでお伝えしたような少量生産の射出成形金型が挙げられます。

3Dプリント・ABSライク製のハサミのモックアップ

他には、

  • 引張りや圧力など高ストレス状態、耐久性が求められる場面
  • スナップフィットのシュミレーション
  • 接触表面のシュミレーション

などが「ABSライク」の特性が生かされるでしょう。

さらに、汎用的な治工具やねじ止めなど、業界・業種を問わず幅広くご利用いただけます。

参考:ストラタシス・ジャパン「PolyJet方式3Dプリンタ用材料Digital ABS Plusのご紹介」(YouTube)

ABSライクで作成したハサミとカラーバー
最新情報をチェックしよう!