「自分が注文した3Dデータはどう作られているんだろう」「家庭用のプリンターとの違いが知りたい」と思ったことある方はいらっしゃいませんか。この記事ではDMM.makeの3Dプリント工場と製造工程をご紹介します。
展示会やインタビューなどでユーザー様より工場の中を見てみたいという声をいただく機会が増えたため、今回特別に工場の一部をお見せすることにいたしました!
普段は見ることの出来ない工場の中をどうぞご見学ください!
加賀工場のご紹介
加賀工場とは
DMM.makeの3Dプリント工場は石川県加賀市で操業しています。DMM.comの物流拠点の一角にあり、物流拠点ではDVD、キャラクターグッズなど様々な物品も取り扱っています。
操業開始
3Dプリント事業サービスは2014年8月にスタートしました。
敷地面積
敷地面積は約40,000㎡で、東京ドームとほぼ同じくらいの広さがあります。
製造工程
造形は主に産業用3Dプリンターで行っています。家庭用3Dプリンターと比べて高精度な造形が可能です。特に金属造形は産業用3Dプリンターならではの技術でしょう。産業用3Dプリンターを設置するには換気のためのダクト設置や粉末除去など環境整備が必要です。
3Dデータチェック
スタッフ4~5名で3Dデータをチェックしています。破損リスクなどを人とテクノロジーの両方で確認しています。
造形・後加工
大まかに素材ごとに分かれて造形と後加工をしています。この記事では23種類の素材のうち、4つの素材エリアをご紹介します。
①PA12 | SLSエリア
PA12 | SLSは粉末焼結(SLS方式)で造形されます。
SLS方式は粉末がサポートの役割を果たすため、PA12 | SLSやプラスチック粉末などの軽いマテリアルを使用するSLS方式は立体配置が可能です。高熱による変形を防ぐため、配置全体の密度を均一に調整します。また変形や歪みを防ぐため、モデルの形状に合わせて個別に角度を調整する必要もあります。配置によってはモデルにヒケが出る可能性があります。
造形の主な工程は、データの配置→造形→冷却→取り出し・エアーブロー・洗浄です。
②MJFエリア
工業部品にも使われるPA12、PA12GB、PA11はMJF方式で造形されます。
MJF方式もSLS方式と同じく、粉末がサポートの役割を果たすため、PA12 | SLSやプラスチック粉末などの軽いマテリアルを使用するMJF方式は立体配置が可能です。高熱による変形を防ぐため、配置全体の密度を均一に調整します。また変形や歪みを防ぐため、モデルの形状に合わせて個別に角度を調整する必要もあります。配置によってはモデルにヒケが出る可能性があります。
造形の主な工程は、データの配置→造形→冷却→取り出し・エアーブロー・洗浄です。
③チタンエリア
金属であるチタンはDMLS方式で造形されます。
DMLS方式ではモデルは未硬化の粉末の中に埋まるように造形されます。更に金属 モデルが粉末の中で沈まないように自重を支えため、モデル下部には足場の様にサ ポートが構築されます。モデルを重ねるとその上にサポートが造形されてしまうので 立体配置はできません。 サポート付着箇所はついていない箇所と比べ仕上がりが異なります。サポートを考 慮して調整するため、モデルの造形方向は限られます。
造形の主な工程は、配置→造形→取り出し・吸引→サポート除去です。
チタンの場合はワイヤ放電加工も必要です。ワイヤ放電加工とはワイヤの放電熱によって造形物を造形プラットフォームから切り離します。
④アクリル(Ultra Mode)エリア
アクリル(Ultra Mode)はインクジェット方式で造形されます。
インクジェット方式ではモデル下部にサポートが造形され、機種によってはサポート付着面の美観が損なわれます。モデルを重ねるとその上にサポートが造形されてし まうので平置き配置のみとなります。 モデルの方向はサポート付着面や美観等を考慮して調整します。
造形の主な工程は、配置→造形→サポート荒取り→サポート融解→洗浄・乾燥です。
オプション加工
①磨き(研磨)
PA12 | SLSとチタンは磨き加工がオプションでできます。
チタンのバレル研磨の動画はこちら↓です。
②染色
PA12 | SLSの染色はひとつひとつ手作業で行っています。
検品
ひとつひとつ人の目で検品していきます。
梱包
ひとつひとつ梱包していきます。
出荷
皆様のお手元に届きます!
まとめ
工場見学はいかがでしたか?これからも産業用3Dプリンターでの高精度な造形を低価格で安心してご利用ください。DMM.makeではものづくりに携わる皆さんのサポートをしてまいります!