最終製品を3Dプリンターで作るには?ポイントや利点をDMMが解説

3Dプリンターで最終製品は作れるのか?DMM技術営業が解説

「3Dプリンターでは最終製品は作れない」こんなイメージをもっていませんか?
近頃では最終製品も3Dプリントで造形できるようになっています。

この記事では近年の動向を踏まえて、3Dプリンターを使って最終製品を製造するメリットやその事例を、DMM.makeの技術営業がわかりやすく解説していきます。
「従来の金型を使った造形だとコストも時間もかさむ」「一点物の製造が楽にできるようになったら…」とお考えの方はぜひ参考にしてください。

3Dプリンターで最終製品は作れる!

近年、3Dプリンターの用途は試作にとどまらず、最終製品にも広がってきています。

3Dプリンターを利用する方のなかには「試作には使うけれども最終製品には使わない」と考える方もいらっしゃるでしょう。「積層痕が残ってしまう」「精度や強度が不十分」などの懸念から最終製品には向いていないという印象があるかもしれません。

しかし、ここ数年で3Dプリンターの技術は進歩し、産業用途においても実用的なツールになってきました。
米国機械学会(ASME)が2021年におこなった調査「Soaring to New Heights in AM/3DP」によれば、航空宇宙関連企業400社余りのうち約5割が「実製品の製造手段」として「金属3Dプリンターが使える」と回答しました。

このように、最終製品の製造に3Dプリンターを利用する人や、活用を期待する人が増えていることがわかります。

「お客様の手に渡るアクセサリー」から「外から見えない機械部品」まで、使い道は様々!
みなさんが想像している以上に、3Dプリントしたものが最終製品に使われています。

参考:
日経XTECH「日本でも花開くか3Dプリンター、ブームから10年で海外勢が活用に本腰」(2023/01/10)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02259/010600011/?i_cid=nbpnxt_sied_blogcard
ASME「Infographic: The Growth of Additive Manufacturing in Aerospace」
https://www.asme.org/topics-resources/content/infographic-the-growth-of-additive-manufacturing-in-aerospace

最終製品を3Dプリントする際のポイント

最終製品を3Dプリントする際にDMM.makeからお伝えしたいポイントは、「出力されたものに求める優先度を整理する」ことです。
コスト、見た目の美しさ、強度など何を重要視しているのかを整理し、そのうえで最終製品として求める品質や物性に合わせた素材や3Dプリンターを選んでいきます。

求める品質や物性がオーバースペックでないかを確認して3Dプリント品でも使えないかを検討してみてください。
3Dプリント品がそのまま使えない場合でも、使えない原因を確認し、設計や後加工、仕上げなどの工夫で使用できるケースもありますよ。

最終製品を3Dプリントする4つのメリット

ここでは3Dプリンターを使った最終製品の製造における代表的なメリット4つを紹介します。

カスタマイズ製品に対応可能

3Dプリントは一点物の製造や少量生産を得意としています。小ロットの製品が欲しい場合、金型を使って製造するのでは時間もコストもかさんでしまいます。
「顧客ごとの要望に沿ったカスタマイズの製品を作りたい」という方には大きなメリットといえそうです。

設計の自由度が高い

設計の自由度が高いため、金型や切削では難しかった凝った形状をデザインできます。
サポートの除去は必要ですが、中が空洞の中空形状も3Dプリントなら可能です。
機械学習による設計で構造最適化や軽量化も実現できるでしょう。

「意匠性の高い作品を制作したい」というアーティスト様からのご依頼も少なくありません。
5年10年経っても劣化しない素材を選ぶことが重要です。

不要な在庫・資材ロスの削減

3Dプリンターを使用することで、オーダーを受けてから必要な分だけ製造できるため、不必要な在庫を減らせます。また余分な原材料を使う必要がなく、環境に配慮した生産が可能になります。

コスト削減

最終製品を3Dプリンターで製造すると、金型などの製作費をカットできることにくわえ、在庫を減らせて倉庫費などの削減が見込めます。

DMM.makeなどの受託造形サービスを利用すると、機材導入費や運営費、人件費が不要になります。機械の稼働率を心配する必要もなく、より大きなコスト削減が期待できます。

3Dプリントの内製と外注はどう違う?メリットとデメリットをともに紹介

製作スピードの短縮

3Dプリンターを使えば、アイデアから製品化までの時間を大幅に短縮できます。金型を製作するには1ヵ月以上かかることがありますが、DMM.makeではWebから即時見積もりと発注ができ、数週間以内に発送可能です。オプションの即納サービスをご利用いただければ最短3日でお手元に届きます。(※諸条件あり)

最終製品に使える素材と3Dプリンターの例

3Dプリントで出力された物に対して強度や仕上がりに不安を抱くこともあるのではないでしょうか?
最終製品の品質をより高めるためには用途に合った素材と高性能な3Dプリンターを使うことが重要です。

DMM.makeの調査ではご利用者様に「高品質のプリンターがある」とご評価いただいています!(自社調べ)
素材やマシンの多様さは業界最高レベルです。
「自社の3Dプリンターでは実現できない」と諦めていた方はぜひ一度ご相談を。

「どのような素材が適しているか?」は用途によって異なります。ここではDMM.makeの取り扱い素材のオススメとして「MJF」「チタン」「リアルシリコン」をご紹介します。

HP社のMJF(PA11、PA12、PA12GB)

HP社独自の技術であるMJF方式(マルチジェットフュージョン方式)で造形されたPA11、PA12、PA12GBは、製造物に異方性が出ず、実用に十分な強度を持つことができます。くわえて、安定した造形精度があり、最終製品など様々な用途で使われています。
対応している3DプリンターはHP Jet Fusion 4200が挙げられます。

【量産向き!】DMM.make 3Dプリント素材紹介「MJF編」

チタン

チタンは金属素材のなかでも軽量でありながら、高い強度と錆びにくさを持っています。そのため、医療器具、航空宇宙産業、自動車業界など多くの業界で利用されています。また、金属特有の質感や重厚感が魅力で、法人のお客様からも利用されています。
対応している3DプリンターはEOSINT M280で、アクセサリーの造形なども可能です。

【軽量で丈夫!】DMM.make 3Dプリント素材紹介「チタン編」

リアルシリコン

リアルシリコンは射出成形相当の精度を持つ高精細なシリコンゴムです。耐久性や耐熱性、生体適合性にも優れており、±0.1mm程度という高い精度で出力が可能。最終製品の利用にもオススメでき、ガスケット等の防水シール、イヤホンや靴底等のカスタム装具など広く活用いただけます。
対応している3DプリンターはスイスのSpectroplast社のマシンが有名です。

【滑らかなゴム!】DMM.make 3Dプリント素材紹介「リアルシリコン編」

最終製品でDMM.make3Dプリントサービスを使った事例

最終製品の製造でDMM.makeの受託造形サービスを活用いただいた企業様の事例を紹介します。

MJFで作った部品がロケットで宇宙へ インターステラテクノロジズ株式会社様

ロケットの開発、製造、打ち上げを手がるインターステラテクノロジズ株式会社様には、ロケットの使用環境に適していたMJF造形のPA11を用いて3Dプリントを発注いただきました。
出力したパーツはロケットに搭載され、宇宙へと飛び立ちました!

DMM.make活用でロケットのアジャイル開発が可能に! インターステラテクノロジズ株式会社 山岸尚登様

オーダーメイドのネームプレートで付加価値を 株式会社ユーボ様

株式会社ユーボ様は、飲食店向けデリバリー用のカスタムメイドまたはオーダーメイドのロッカーを製造・販売しています。そのロッカーに付けるお客様ごとのネームプレートを一点ずつ3Dプリントしていただきました。独特の質感や重厚感が魅力のチタンのネームプレートは、お客様にも喜ばれているそうです。

飲食店向けデリバリー用ロッカーのネームプレート制作でDMM.makeのチタンを活用 株式会社ユーボ様

産業機械の消耗品にも! 株式会社佐藤製作所様

自動車関係の産業設備の設計や製造、組み立てを一気通貫で請け負っている株式会社佐藤製作所様。産業機械で物をつかむ部分にある「吸着パッド」をリアルシリコンで製造いただきました。通常は一般規格品を購入しているなか、「ちょうど良い形状の物が無い場合の代替」として3Dプリントサービスの利用に至りました。

機械加工機で作れなかった産業用機械部品を3Dプリントサービスを活用してリアルシリコンで造形 株式会社佐藤製作所

3Dプリンターで作れるのはもはや試作品だけではない

最終製品を3Dプリントするイメージはもてたでしょうか?
3Dプリンターはもはや申し分ない高品質の製品も出力でき、コストカットや生産スピードのアップなど様々なメリットがあります。

「高性能な3Dプリンターは自社では保有していないから外注したい」「3Dプリントのことはよくわからないけれど、最終製品を作ってみたい」という方も、DMM.makeにお気軽にご相談ください。

素材や精度についても熟練のスタッフが丁寧に回答いたします!

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