ドローンのカスタムパーツをMJFで製造、コストカットも実現 株式会社JDRONE

無人航空機を使った測量や調査、サービス、ドローンのカスタマイズをおこなっている株式会社JDRONE 栗原元夫様よりお話を伺いました。オーダーメイド型のドローンのパーツ作成に3Dプリンターを活用、DMM.makeのサービスを利用し実現できたこととは…?

栗原元夫(くりはら もとお)様プロフィール
株式会社JDRONE
技術サービス部 シニアエキスパート ドローンカスタマイズ担当

別の3Dプリント業者だと費用が高かった。

DMM.makeに依頼したらコスト削減につながった。素材数も多く、自社ドローンにあったMJF造形のPA11とPA12を選べた。

クオリティも高く、自社3Dプリンターと違って機械のメンテナンスもなく助かっている。

無人航空機活用サービスを展開 株式会社JDRONE

まずは会社概要と担当されているお仕事の内容から教えていただけますか?

無人航空機を使った測量や調査、サービス、ドローンの導入支援およびカスタマイズをおこなっています。

ありがとうございます。
3Dプリンターはドローンのカスタムパーツを造形する際に使われているのでしょうか?

パーツ造形で使っています。JDRONEは2019年創業で、前身の会社がドローンを扱う前から樹脂成型を扱っていました。
ドローンは金型を使うほど数が出ないので、3Dプリンターを使っています。また試作でも使用しています。

PA11とPA12を選んだ理由は「価格」と「強度」

DMM.makeで今回ご利用いただいていた素材は何でしょうか?

MJFで造形したPA11とPA12が主です。

お選びいただいた理由は何かございますか?

1つの理由として、価格面が大きいですね。
他の理由としては、弊社の求める強度に見合っている素材だからです。

他の素材はご検討されずに、スペック面でMJFで造形したPA11とPA12を選ばれましたか?

そうですね。御社で取り扱われている素材を一通り見させていただいて、いろいろ考えました。
一番バランスのよい素材がPA11とPA12だったので選びました。

ありがとうございます。
御社のドローン開発には、PA11とPA12が必要不可欠なのでしょうか?

そうですね。
一時期、ナイロン素材を使ったことがあって、寒い時期だと湿度や温度の関係で割れてしまう問題がありました。
素材を見直したとき、PA11が良さそうだと判断しまして、ほぼPA11とPA12で発注させてもらっています。

もともとはナイロンを主に使われていたのですね。

そうだったと思います。
ABS樹脂*だと価格が少し高かったんですよね。

材質的に割れてしまう可能性もありそうです。

それでPA11とPA12を選ぼうという判断になりましたね。

*ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene/アクリロニトリル ブタジエン スチレン):硬度や強度、耐熱性、耐衝撃性に優れ、自動車や家電製品、玩具、建材、医療器具などの製造など幅広い用途に利用されている。

株式会社JDRONEがカスタマイズしたドローン

Fusion360」を利用しCADデータを作成

3DデータはどのようなCADで作成されていますか?

Fusion360」ですね。
ライセンスの料金がリーズナブルなので、他のソフトから乗り換えて利用しています。

以前はどのようなソフトが使われていましたか?

以前は「SketchUp」というソフトを使っていました。
前任の担当者がCADソフトを移行するにあたって、「Fusion360」のほうが扱いやすかったので乗り換えたと聞いています。
本当は「SOLIDWORKS」がさらにすごいことはわかっていますが、ライセンス料が高額なのでやめました。

「SketchUp」が使われていたのならば、担当者の方は設計をメインにおこなっていたわけではなさそうですね。

もともとはプリント基板のアートワークを設計していて、多少は機構もできるので取り組んでもらいました。
最初は2Dで設計図を描いて、板金を作るところから始めて、段々と樹脂を削るやり方に移行していきました。

なるほど。
エンジニアの方ではあるものの、これまでCADをメインに扱われていなかったのですね。この業務のために独学で習得されましたか?

そうですね。
「SketchUp」ではデータ上で曲面をうまく出せなかったと聞いています。
「Fusion360」に移行してからは、改善されて、扱いやすくなったといっておりました。

「Fusion360」は1ライセンスのみで、設計担当の方だけが使っていますか?

現状は3ライセンス持っています。
学生時代に触っていた者と、まったくのゼロから習得した者の新人2名に割り当てています。

弊社の場合は割引を受けているので、10数万円くらいだったかと思います。

「SOLIDWORKS」だと年間で100万円くらいの費用がかかるので、コスト面と操作面の両面で「Fusion360」が良さそうですね。

「Fusion360」で3DCADデータを作成している様子

ドローンは森林資源や地形の測量で使用

御社のドローンでの測量サービスは、3次元形状の取得を目的としているのでしょうか?

そうですね。森林などが測量対象です。
主に山の測量方法はドローンで撮影をして木の種類を判別しています。
他には、LiDAR*とよばれるレーザーを使って、木の高さを調査して、3D画像を作成しています。

3次元情報の取得は、LiDARの他にフォトグラメトリ*も使われていますか?

現状は2種類を使用しております。

お客さまはどのような用途で山のスキャンデータを使われていますか?

森林資源や地形情報のデータ化に使われています。

*LiDAR(Light Detection and Ranging):地形や建物などの三次元情報を収集するため光を使って距離を測定するセンサー技術。レーザー光を発射して、その光が物体に反射して戻ってくる時間を計測することで、物体までの距離を測定できる。

*フォトグラメトリ(photogrammetry):写真を使用して物体の形状や位置を測定し、物体の三次元情報を取得できる技術。

林業向けにカスタマイズしたドローン

ドローンはお客様ごとにカスタマイズ、リピートでの受注もあり

ドローンの部品のロット数はどれくらいですか?

ロット数は多くて10台くらいですね。
基本的には1〜2台の小ロットです。

完全にカスタマイズされた一点物でしょうか?

そうですね。お客さまごとにカスタマイズしたドローンを制作しています。
同じお客さまでもリピートで受注いただくことがあります。
一部をブラッシュアップして、少し改善したものをお出ししています。

そういった用途ですと、金型よりも3Dプリンターを活用されたほうがコスト面は大幅にカットできそうですね。
簡易金型で作る場合のロット数はどれくらいでしたか?

100台くらいですね。
ドローン用で作る場合は、100くらいのロット数がしきい値になるかと思います。

カスタム用のドローンパーツ

他社と比較し、DMM.makeはコストを抑えられる

DMM.makeを知ったきっかけと、使い始めた理由を教えていただけますか?

3Dプリントの業者さんを調べている中でDMM.makeを知ったのがきっかけだったかと思います。
前の者が作ったときは別の3Dプリンター業者に頼んでいて、そこそこの費用がかかっていました。
「もう少しコストを安く抑えられる業者がいないか」と調べている中で、御社を見つけました。

ありがとうございます。
現在は他社と比較されることはありますか?

今はしていませんね。
過去に制作したデータをそのままリピートするケースも多いんですね。
他社で依頼するとなると、「データを送って、見積もりを取得して…」と時間がかかってしまいます。
手間もかかってしまうので、御社だけで制作しています。

3Dプリンター導入より受託造形のクオリティやメンテナンス面を重視

3Dプリンターを前提で制作をされる場合、自社で3Dプリンターを導入されている会社もあります。
JDRONE様でも3Dプリンターを導入されていますか?

自社では保有しておりません。
「自社で購入したほうが良いのでは?」という話が出たこともありますが、そこまで使用頻度は高くありません。

品質面を考えると、3Dプリンター自体もそれなりの機材を用意しなければならないですよね。
あまり安いプリンターを購入しても出来が悪くてクオリティに影響が出てしまいます。
自社でメンテナンスをおこなう必要性があることも考慮すると、3Dプリンターを購入するのは厳しいという判断になりました。

発注してから想定通りに組み立てられなかった場合は、データを修正して発注し直して対応しています。
稀にレギュレーションに引っかかって、データの修正を余儀なくされることはありますが、基本的には一度の造形で組み立てられているので、大きな問題にはなっていませんね。

救命具が取り付けられるドローン

DMM.makeは「納期が早くて助かる!」

最後に、DMM.makeの3Dプリンタサービスをお使いいただいての感想をお聞かせいただけますか?

納期が厳しいことが多いですが、他の業者と比べるとDMM.makeは納期がかなり早いほうで助かっています。

ありがとうございます!
短納期をご希望のお客様に向けて「即納サービス」というサービスもあります。

はい、何度か利用させてもらいました。
単純にデータ作成や設計が間に合わなかったときと、実際に設計して先方に納めたものの、不慮の事故で割れてしまって急ぎで代わりが必要になったときに依頼しました。

そのような場面でもお役に立ててうれしいです。
スピード感とお客様の満足度にこだわってこれからもサービスを提供して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社JDRONE
ホームページ:https://jdrone.tokyo/

低価格・スピード納品・高品質が叶う DMM.make 3Dプリントサービス
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