治具で効率UP!ジグの意味や種類、3Dプリンターでの製作事例を紹介

治具の意味や種類を解説。3Dプリンターの活用術も。

この記事では、製造業・ものづくり分野における「治具」の意味、メリットや3Dプリンターの活用例についてご紹介します。

治具とは?使い方やメリットについてご紹介

「治具(じぐ)」とは、製造業などで製品を開発する際に、特定の作業を補助するための道具のことです。
ものづくりの過程で使用するための固定具や保持具、測定具など、さまざまな種類の治具が存在します。
これらは作業効率を高めるため、または作業者の安全を確保するために重要な役割を担っています。

「治具」の表記は?「冶具」「ジグ」「jig」…

また、基本的には「治具」と表記されますが、「冶具」「ジグ」「jig」など、さまざまな形で表記される場合もあります。
諸説ありますが、元々は英語の「jig」にそのまま漢字が当てられたと言われています。

「補助工具」「治工具」とも呼ばれていますね。

治具の使い方

治具の使用方法は、その目的や形状によって大きく異なります。
その用途は、製品の部品を正確な位置に保持するための治具、寸法を測定するための治具など、さまざまです。

たとえば、球状の物体にネジ止めをする場合、平らな台のうえではコロコロと転がってしまいますが、曲面に適した治具を用意すれば、しっかりと固定した状態で安全にネジ止めができます。
また、塗装をする際に塗料を塗布したい場所以外が汚れないようにするためにマスキングテープを貼るケースもありますが、この場面ではマスキングテープを治具と言い換えることもできるでしょう。

作業の精度を向上させるためには、治具を適切な場所で適切な方法で使用する必要があります。

仕事だけでなく、日常生活で使える「生活治具」というものも3Dプリントユーザーには人気ですね。

【事例】外注サービスでオリジナル生活治具を作る!

治具を用いるメリット

ネジのような物をとめるX型の固定治具
治具を使用する主なメリットとして、労力の削減と精度向上の2点が挙げられます。

たとえば、ドリルを使って木材に穴を開ける際、穴を開ける箇所のガイドを準備すれば、側面から常に同じ幅で均一の穴を開けられます。
穴を開ける際の長さや位置を毎回調整する手間が不要になるので、治具を使うことでより効率的な作業が可能になります。

さらに、治具を使えば、誰でも同じような加工ができるので、再現性を高めながら品質の一貫性を保証する意味でも役立ちます。

ものづくりをする方にとって、「痒い所に手が届く=孫の手」のような存在であると言えるでしょう。

労力を削減し、生産効率が上がる

作業速度の向上や作業員の負担軽減など、生産効率を上げるために治具が活用されます。
たとえば、部品を正確な位置に素早く固定できる治具や、一度に複数の部品を扱うことができる治具などが挙げられます。

精度や正確性が上がる

製品を組み立てる際の工程を助ける目的でも治具が用いられます。
たとえば、治具を活用すれば常に適切な位置に部品を固定でき、正確な組み立てが可能となります。

組み立ての際に治具を用いることで、製品の品質と一貫性を保証する効果が期待できます。

検査の場面でも使われる

製品の品質を保証する目的でも治具が用いられます。
たとえば、検査治具は規格や仕様に対する製品の対応性を確認し、測定治具は製品の寸法や形状を正確に測定します。

これらの治具を検査時に活用すると、製品が設計通りに製造されているかを確認するための時間と手間を削減できます。

治具は金属だけでなく木材や樹脂などで作りますよ。用途によって何で作るかを考えましょう!

治具の種類

治具は、その用途によってさまざまな種類に分けられます。
大きく分けると、10種類の治具が存在するので、それぞれの特徴や使われ方についてご紹介します。

切断治具

切断治具は、材料を特定の形状やサイズに切断するための道具で、裁断機がその代表例です。
これらは材料を適切な位置に保持し、安全かつ正確に切断を可能にします。

曲げ治具

曲げ治具は、金属やプラスチックなどの材料を特定の角度で曲げるための治具です。
これにより、製品の形状を正確に制御することが可能になります。

溶接治具

溶接治具は、部品を正確な位置に固定し、溶接操作を行うための道具です。
プラスチックフィルムの口を閉じる際に使われるシーラーなどが代表例で、高品質な溶接が可能となります。

熱処理治具

熱処理治具は、部品を熱処理するための道具で、高温での作業を安全に行うことを可能にします。

塗装治具

塗装治具は、製品に均一な塗装を施すための道具で、ステンシルなどが代表例です。
塗装治具は、製品を正確な位置に保持し、塗装の一貫性と品質を保証します。

めっき治具

めっき治具は、製品にメッキを施す際に使用されます。
製品を正確な位置に保持し、メッキの均一性と品質を確保します。

組立治具・固定治具

組立治具は、部品を正確な位置に固定し、組み立て精度の品質と一貫性を確保するために使われます。
また、材料を固定して加工を補助するための道具として使われることも多く、バイスやクランプ(万力)などが代表例です。

挿入治具

挿入治具は、部品を他の部品の内部に挿入するための道具です。

引抜治具

引抜治具は、部品を他の部品から抜くための治具で、効率的で安全な作業を可能にします。

検査治具

検査治具は、製品の品質を確認するための道具です。
製品が設計通りに製造されているかを確認し、必要な調整を行います。

治具は3Dプリンターで楽に作れる

自家用3Dプリンターで小さな治具を作る
治具を活用する際は、その加工内容に適したものを準備する必要がありますが、治具の専門メーカーに依頼をして一点物として作られているケースが大半です。

これまでは治具製作に多大なコストと時間がかかっていましたが、3Dプリンターが普及し始めたことで、複雑な形状の治具も手軽に製作できるようになりました。
3Dプリンターで治具を作成すると、これまでよりも作業時間を大幅に短縮し、労働負担の軽減効果が期待できます。

【事例紹介】「小型で制約の多い固定治具を外注の3Dプリントで楽に」

サンプル品や治具製作で3Dプリントサービスを活用 インフィニジャパン株式会社


独自の表面仕上げ・磨き技術により受託サービス加工をおこなっているインフィニジャパン株式会社では、磨き加工をする際にマシンの中で研磨する対象物を固定する治具を3Dプリントで製作いただきました。
サイズが小さく、制約の多い治具のため、社内で作るのが難しく、DMM.makeに依頼。他、展示会でのサンプルも3Dプリントで作っていただいています。
治具製作に限らず「DMM.makeの外注サービスはサポート材の除去など後加工もプロの技でしっかりおこなってもらえて楽です」と満足度が高く、リピートしてご利用いただいております。

1パーツ、数百円や数千円単位から注文できるのがDMM.makeの魅力。ぜひ一度お見積もりを!

まとめ

治具はものづくりに携わる方々にとって、日々の業務を改善する身近で便利な道具です。
治具を使用することで、作業効率を向上させるとともに、製品の品質を一貫して確保できます。

また、3Dプリンターを活用すれば、自分たちのニーズに合わせたカスタム治具を手軽に作成することができます。

「あったら、いいな」をぜひ3Dプリンターで叶えましょう!

治具の意味や種類を解説。3Dプリンターの活用術も。
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