レプリカとは?意味や3Dプリンターを使った最新の作り方まで解説

レプリカとは?レプリカ製作における3D技術についても解説

この記事では、製造業・ものづくり分野における「レプリカ」の意味、メリットや3Dプリンターの活用例について分かりやすく解説します。
趣味で「レプリカを作りたい」という方はもちろん、博物館や寺社仏閣など文化財などを扱う方やビジネスシーンでレプリカを必要とされている方も最新のレプリカ事情についてお伝えするので、ぜひご一読ください。

レプリカとは「複製品」という意味

レプリカとは「複製品」という意味です。

レプリカは、オリジナルの設計や機能、素材、製造手法までを再現する用途で使われています。
場合によっては、オリジナルの破損や欠損状態をそのまま忠実に複製するケースや、逆に補修を加えて本来の姿が再現されるケースなど、レプリカの用途によって複製手法はさまざまです。

本来は「オリジナルの制作者によって作られたコピー品」という意味の言葉でしたが、現在は複製した人物については触れず、単純に「複製品」を指す言葉として使われるケースが一般的です。

基本的には彫刻や建造物、道具などの立体的なものの複製を「レプリカ」とよび、絵画や写真、文書などの平面なものについては「コピー」とよばれる傾向にあります。
一方で、「レプリカ」「レプリカ品」は違法な偽造品や模倣品を指す言葉として使われることも多く、例としてブランド品や高級腕時計、紙幣や硬貨の偽造品などが挙げられます。

最近では3Dプリンタ―を使ってレプリカが簡単に作れるようになっています。記事後半にてお伝えします!

レプリカのメリット

レプリカを活用するメリットは、次のとおりです。

レプリカを活用するメリット
  • 手に取って触れることで学びが深まる
  • 貴重な文化財や歴史的な芸術品も安全に研究できる
  • 破損しても復元や再構築が可能で、長期的な展示が可能
  • 希少性のある原品を保有する必要がない
  • オリジナルの盗難リスクに対して備えられる

レプリカを活用する最大のメリットは、オリジナルと同じ製品を直に手に取って触れられる点にあります。
たとえば、貴重な文化財や歴史的な芸術品のレプリカを作成できれば、それらを持ち帰って安全に研究をおこなえます。

また、レプリカが破損した場合でも復元や再構築が可能なケースも多く、劣化に強い素材を用いれば長期的な展示も可能となります。

しかも3Dデータを保存しておけば、いつでも3Dプリンターで出力できます。

希少性のある原品を自身で保有する必要がないため、世界に一点しかない作品のレプリカを用いれば、より多くの人たちの目に届けることも可能ですね。

レプリカが使われるシーン

レプリカは、次のようなシーンで使われています。

博物館・美術館

博物館や美術館では、レプリカが教育的目的と保存の両方のために頻繁に使用されます。

オリジナルの作品や遺物は価値が高く、保存状態が脆弱で繊細なため、直接触れられないケースも少なくありません。
しかし、レプリカを活用すれば、より多くの人たちの目に届けることが可能で、場合によっては直接触れることも可能です。

たとえば、古代エジプトのミイラやピラミッドの詳細なレプリカを活用すれば、古代エジプトの人たちの生活や文化を研究して、より深い理解を得るのに役立ちます。

「実物大」や「実際よりも拡大したサイズのレプリカ」「1/100サイズ」など、用途に合わせてサイズを変えたレプリカが活用されています。
3Dデータや3Dプリントであれば、その拡大・縮小も簡単にできます。

参考:平成30年度博物館学芸員専門講座シンポジウム「博学連携による3Dプリンター製文化財レプリカの作製と活用」

寺社仏閣(文化財)

日本の寺社仏閣やその他の文化財の場合、保存や修復、教育の目的でレプリカが活用されています。
これらの施設には、古代からの伝統的な建築様式や工芸品が数多く保存されており、文化を伝えるためにはレプリカが重要な役割を果たします。
建築物や彫刻、仏像などのレプリカは、その製作過程や技術、デザインを理解する手段にもなっています。
また、修復や保存作業の場面でも、オリジナルの部分を補うためにレプリカが用いられることも少なくありません。

特定の祭りや行事において、オリジナルの遺物や神具の安全を保つために、レプリカが使用されることもあります。

ショールーム

ショールームでは、レプリカが製品のデモンストレーションやマーケティングの手段として活用されています。

たとえば、車のショールームでは、エンジンや内部構造のレプリカが展示されることがあり、顧客に対して製品の特徴や性能をより深く伝えるのに役立っています。
また、家具やインテリアのショールームでは、部屋全体のレプリカが展示されており、顧客が実際の空間でその商品をどのように配置できるかを視覚化できます。

このように、レプリカを用いて商品の機能やデザインで顧客の理解と興味を引き、そのうえで顧客の購買意欲を高める効果が期待されています。

3Dスキャナーと3Dプリンターを使ったレプリカの作り方

通常、レプリカを作る際は石膏などを使って、時間をかけて作られていました。
現在はさまざまな材質に対応した3Dプリンターが登場したことで、コストと時間の両面を削減しながら、誰でも簡単にレプリカを作れるようになっています。

3Dプリンターを使ってレプリカを作る際は、主に次の手順で作業が進められます。

  1. オリジナルの3Dデータをスキャンする(3Dスキャナ、三次元計測器など)
  2. スキャンした3DデータをCADなどに取り込む
  3. 取り込んだデータの変換・修正・加工をおこなう
  4. 完成した3Dデータを使って3Dプリンターで出力する

3Dプリンターでレプリカを作るには、3Dスキャナや三次元計測器などを使って現物をスキャンし、オリジナルの3Dデータを用意するのが主流です。
また、スキャンしたデータは点群データとなっているため、それらを面のデータに変換したうえで、3Dデータへ変換する作業が必要です。

これらの作業には専門のスキルが必要ですが、DMM.makeでは3Dスキャンサービスを展開しており、そのまま3Dプリントをおこなって簡単にレプリカを造形できます。

今までに3Dデータを取り扱ったことがない方でも、現物さえあれば大丈夫! 一気通貫でレプリカを3DプリントできるDMM.makeの3Dスキャンサービスが簡単・便利です。

3Dプリント製レプリカの最新事例

3Dプリントを使ったレプリカの事例として、「貴重な文化財を盗難や災害から守るプロジェクト」の一環で、和歌山県内の高校生たちがレプリカの仏像を製作して、実際にお寺に奉納されたシーンが挙げられます。これは文化財を盗難や災害から守るプロジェクトの一環として実施され、和歌山工業高校の生徒が3Dプリンターで菩薩半跏像のレプリカを作成し、笠田高校の生徒が色付けをおこないました。
実際に奉納されたレプリカは「お身代わり仏像」として活用され、平成24年度から令和4年時点で、合計33体の仏像が奉納されています。

参考:NHK 和歌山県のニュース「高校生がレプリカの仏像製作・奉納 盗難や災害から文化財守る」

まとめ:手に取れるのがレプリカの魅力! 3Dで楽に制作したいならDMM.makeへ

レプリカとは「複製品」という意味で、オリジナルの設計や機能、素材、製造手法までを再現する用途で使われています。
また、貴重な文化財や歴史的な芸術品を、盗難・災害のリスクから守るためにも多くの場面でレプリカが活用されています。
レプリカを作成するには、オリジナルの3Dデータをスキャンして作成する必要がありますが、そのためには専門的なスキルと特殊な機械が必要です。

DMM.makeの3Dプリントサービスでは文化財のレプリカ製作や商品製作などのご支援実績が多数あります。ぜひご検討ください!

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