【お客様事例紹介】大岡俊彦様

大岡俊彦のアイコンと薙刀キーボード

ゆかりさんが使っていたからですね(笑)

なるほど(笑)
他社さんを試したいと思ったことはありますか?

自作キーボード界隈ではJLPCBが安いという話は聞きますね。
ただ、DMMさんでこれだけやっていると、3Dモデルと実際のプリントの差分が読めるようになってきたので、今から新しいところに発注するより、仕上がりが読める範囲でやろうと思っています。
今後もDMMさんは使い続けたいですね。

ありがとうございます。
基本的にはナイロンを使われているとお話がありましたが、後加工についてはいかがですか?
そもそも、そんなに加工される機会はないでしょうか?

出力したパーツ

いろいろ試した中だと、ヤスリで滑らかにしたり染色したりですかね。
染料を買ってきて鍋の中で煮て、いい感じの色を出すというところまでは自分でやりました。
DMMさんが出していない色を自分で調合してキーキャップを作って、遊舎工房で販売したりしています。

ご自身で染色をしたいという要望があったのでしょうか。

いえ、たまたま中間色がほしかったんです。
DMMさんだとスタンダードの色はありますが、たとえばターコイズブルーなどの可愛らしい色がなくて。
そういうのを自分でやりたかったんです。

なるほど。もともとは小説を書きたかった方なのに、いつの間にか鍋でナイロンを煮てたんですね(笑)

そうですね、自分でも不思議です(笑)

DMM.makeを使った制作活動で大変だったこと

弊社をご利用いただいた制作活動で、大変だったことは何がありますか?

3D空間上のものが現実に出てきたときの想像ができないんですよ。
人間の指って紙一枚(60ミクロン)の差を嗅ぎ分けられるくらい繊細で、微妙に高さが違うだけでものすごい違和感を覚えるんです。

※1ミクロン=100万分の1メートル

3Dキーキャップを作るときに角度を調整するんですが、それが0.3度変わっても感触が違いすぎてもうダメになる。
いくら3Dプリントでグルグル回して見ても、実際に触ってみないとその違いがわからないんです。
なので、紙粘土を使って指で触りながらいろいろな角度を試してみて、それを使って見た目合わせでモデリングするということをやっています。

なるほど。かなり大変なプロセスですね。

そうなんです。なので、この3D空間がそのまま現実に出てきてくれればいいのにと思うことがしばしばあります。
やっぱり触った感じが一番大事で、最終的にはキーキャップのパーツ(トップやステム)をバラバラに出して、それを紙粘土で固めて作ったりもしました。
人間の手って微妙なもので、日によっても感触が変わってしまいます。なので、自分の感触が本当に正しいのか?と疑心暗鬼になることもあります(笑)

試作段階のバージョン管理が大変そうですね…。

大変です。地獄ですよ(笑)
エクセルだと管理できないので、物理的にマジックで書いて管理するようになりました。

今はご自宅に3Dプリンターを導入されているのでしょうか?

ないです。キーキャップ制作に何十万かは投資したので、最初から3Dプリンターを買っておけば良かったとも思います(笑)
自作キーボードを作っている人は、自宅で3Dプリンターを持っていて、良いものができたら本格的にどっかで頼むみたいな。

多分、キーボードのキーキャップくらいなら2時間ほどで出力できるかと思います。
金銭面でもご自宅に3Dプリンターを導入されたほうが効率は良かったかもしれませんね。

DMM.makeを使った制作活動で良かったこと

これまでの制作活動で良かったことは何かございますか?

自作キーボードやキー配列を使うようになって、圧倒的に日々の執筆が楽になりました。
膨大な量のブログを書いているんですが、それも早いし楽です。

実際の仕事に直結しているわけですね。
キーボードを作る時間とお仕事の時間の比率は?

今ではキーボードのほうが長いかもしれません(笑)
自作のキーボードが良すぎて仕事がすぐに終わるので、まだ疲れてないから今日はいろんなことができるぞ!と。
毎日書くことが常にフィードバックになっているので、PDCAサイクルが早いんですよね。
毎日気になることが1個か2個くらい出てくるので、それをすぐに試して、ということを繰り返しています。

なるほど。理想を一生追い求めることになるんでしょうね(笑)

自作キーボードの世界では“エンドゲーム”という言葉があるんです。
全員が追い求めている理想があるはずなのに、まだ誰もたどり着いていない(笑)
でも、キリがない部分も含めて面白いと感じています。

DMM.makeを使った制作活動の今後

自作キーボードで技術的に注目していることや興味があることは何かございますか?

これまでの自作キーボードは、平面のキーボードに対してキーキャップを植えると3Dの形になるという、いわゆる“下駄”みたいなものでした。
いまは元から3Dの筐体を作ろうと考えていて、それを年内完成目標で考えています。

なるほど。キーキャップはある程度統一してっていうことですね。

そうです。キーキャップはフラットで、キーボード自体は3Dの球を掴むような形のものを設計しては試作してという段階です。
ただ、そのためにははんだ付けで空中配線をしないといけないんですが、それがめちゃくちゃしんどかったんですよね。
それを上手くできる仕組みはないかと考えているが、それを販売する際にお客さんに空中配線をしてもらうのか、とか。

なるほど。ハードルはかなり高そうですね。
やりようはありそうですが…。

そうなるとPCB設計から勉強し直さないといけないんですが、「俺まだ小説書きたいんだけど〜」という感じでどうしようかなと(笑)
あと、立体キーボードだから寸法が大きくなってしまう。ナイロンで出しても試作費用で2万円くらいいってしまうんですよね。
試作費用が高くなるのでどうしようかなと思っていたんですが、エコノミーレジンが出てきたので少し費用面で楽になりそうかなと感じています。

ありがとうございます。
エコノミーレジンは光造形で平たいものが苦手なので、反り止めやリブ留めは設計で入れていただくと良いかもしれないです。

なるほど、参考になります。
今日ちょうど届いたものは大きめのものをプリントしてみたんですが、意外と悪くないなと思って。
ただ、今度は筐体が透明で、中の基盤とスイッチと配線が見えているものを作らないといけないの?というプレッシャーが(笑)

完成したらカッコイイですね。かなり話題になりそうです。
やることが尽きなくて、なかなか暇になることはなさそうですね。

自作キーボードの世界はみんなこんな感じです。沼にハマってみんなで底にいる、みたいな(笑)
コロナの影響があって最近はキーボード界隈のイベントがなかったんですが、近いうちに久々のリアルイベントがようやく開催されることになって。
コロナ前は年6回くらいイベントがあって、一番大きいイベントでは300人とか400人くらい来ていたんですが、ここ3年ほどは実機を触る機会がなかったので、みんなウズウズしていると思います。

イベント名:キー部1%

最後に伝えたいこと

本日は貴重なお話をいただきましてありがとうございました。
自作キーボード界隈のご利用者様が多いという認識はありましたが、これほど濃いお話を聞ける機会はなかったので、非常に勉強になりました。

こちらこそありがとうございます。
キーキャップはサイズ感が小さいので、3Dプリント向けだなと感じています。

最後に大岡様から伝えておきたいことなどはございますか?

自作キーボードを作り始めたきっかけは、もともと自分で「薙刀式」というキー配列を作ったからなんです。
最近は少しずつ薙刀式の輪が広がってきて、今では何人とかいうレベルではなく、何十もの人に使ってもらっています。
Windows版・Mac版があって、自作キーボードの中のファームウェア版も出ているので、ぜひ皆さんに試してもらえたら嬉しいです。

わかりました。本日は長いお時間、貴重なお話をいただきましてありがとうございました。
引き続き、DMM.makeをよろしくお願い致します。

こちらこそ、よろしくお願い致します。

大岡 俊彦 様ブログ

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利用ユーザー数国内最大規模 3Dプリント造形サービス DMM.make 3Dプリントサービス
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自分が制作した3Dプリント作品が売れる DMM.make クリエイターズマーケット
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