2023年12月注目の3Dプリンター/AM関連ニュースをお届けします。
新技術や素材の開発からより便利になる新サービスまで、国内外でおこった革新的な4つのトピックをDMM.make が独自の視点で厳選してご紹介。
3Dプリントの可能性に触れてみましょう!
金属AMで大型タービン部品を製造 大幅な製造時間の短縮へ
米国の研究機関のひとつであるエネルギー省オークリッジ国立研究所は、発電所で用いられる大型蒸気タービンのブレードを3Dプリントしました。
これまでタービンブレードといった大型の鋳物や鍛造品は7~8カ月の時間をかけて製造していましたが、今回の金属AMによって金属部品が12時間ほどで出来上がるとのことです。
3Dプリントサービスで大型造形すると、製造時間や製造コストを大幅に削減することができるんです…!
米国サンフランシスコで3Dプリント住宅へ助成金
米国サンフランシスコのベイエリアにて3Dプリント住宅建設へ助成金が出されることが発表されました。
これは脱炭素的でモジュール式の住宅を開発する為のプロジェクトで、500万ドル(日本円でおよそ7億円)助成される見通しです。
3Dプリント住宅は開発が盛んな分野で、2023年10月にも中南米グアテマラで初の3Dプリント住宅が建設されたり、日本でも着々に開発が進んでいます。
住宅のほかにも自動車や航空業界、宇宙業界など、3Dプリントは様々な分野で活用されています。
参考:tctMagazineによる取材/Mighty Buildingについて
3Dプリンティング技術を用いて手術時間を短縮 英国バーミンガム
英国バーミンガム大学病院は、特殊素材と患者のスキャンデータを用いて製作された切断用ガイドを用いることで手術が最大3時間短縮されたとしました。
この切断用ガイドはStratasysのプリンターと生体適合性 Clear MED610で製作されています。
これまでの手術では手術中に金属片を変形させながらそれをガイドとしており、誤差が大きく時間を要していました。
手術のプロセスや結果を正確に予測することができ、患者の方により安心感を与えられるようになったとのこと!
参考:VoxelMattersによる取材/Clear MED610について
米国防省 重要金属類のアップサイクルへ向けた助成金を授与
米国国防省は、米国に拠点を置く6K Additiveの進める重要金属類アップサイクル技術への投資プロジェクトにおよそ2340万ドル(日本円でおよそ33億円)を助成することを決めました。
廃棄される金属製品からチタン、ニッケル、高融点金属といった航空宇宙産業に用いられる金属をアップサイクルすることをプロジェクトの目的としています。
近年、サステナビリティの重要性が高まる中、「アップサイクル」という概念も注目されていますね。
参考:6K Additive のリリース/6K Additive について
編集後記
各地で新しい動きが見えた3Dプリント技術の世界。今回はその中でも特に目立った4つの明るいトピックをご紹介しました!それぞれ異なる視点から、3Dプリント技術がどのように社会に貢献しているのか、具体的な事例を通じてご覧いただけたのではと思います。
2024年もこの技術の進歩と共に、最新の情報をわかりやすく皆さまにお伝えしていきます。
今年もよろしくお願いいたします!