「1か月以内に部品が欲しいけど金型を作る時間がない」「販売数量が少ないのに金型製作はもったいないし、初期費用がかかる」「金型は一度作ったら変更できない」……。
このような悩みはありませんか? 実は3Dプリンターは量産ができて、最終製品にも使用できます。うまく外注サービスを使えば、最短3日・初期費用不要で何度も造形することもできます。
この記事では3Dプリントで量産する4つのメリットや、量産と最終製品に向く素材、DMM.makeの3Dプリントサービスを活用して量産している法人事例をお伝えします。
3Dプリントサービスで量産して、品質向上・コスト削減・納期短縮・柔軟性向上を実現しましょう!
3Dプリンターは試作だけでなく量産・最終製品にも使える
多くの企業は、試作目的で3Dプリンターを活用しています。中空やオーバーハングなど形状の自由度が高く、低コストかつ短納期で製作できるため、とくにサイズの小さなものは試作に向いています。
試作品の3Dプリントについて詳しく知りたい方はこちら↓
しかし、3Dプリンターの活用方法は試作だけではありません。従来の金型や射出成形が抱えていたコストや納期の課題を、3Dプリントサービスによって解決している事例も多数存在します。3Dプリンティングの技術も向上し、安定した造形精度と強度を出せる3Dプリンターや素材の選択肢も増えました。量産や最終製品目的で3Dプリントサービスを活用する企業は、今後ますます増加していくでしょう。
3Dプリントサービスで量産する4つのメリット
ここからは、3Dプリントサービスで量産する4つのメリットを紹介します。
3Dプリントサービスと従来の金型、切削加工の特徴を比較しながら、それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
3Dプリントサービス | 金型 | 切削(外注) | |
初期投資 | 0円 | 100万円~ | 0円 |
製品単価 | △ | ○ | △ |
リードタイム(目安) | 10〜20日(最短数日) | 30〜90日 | 30日 |
形状変更の柔軟性 | ○ | × | ○ |
複数デザイン対応 | ○ | × | ○ |
中空などの複雑形状 | ○ | × | × |
10,000個以下の量産なら金型より3Dプリントサービスが断然安い
量産にかかる総費用は「金型費用+量産個数×部品費用」で算出できます。金型の場合は金型費用と部品費用、3Dプリンターの場合は1個当たりの造形費によって総費用が変わります。10,000個以下であれば、金型よりも3Dプリントサービスが断然安い場合もありますので、ぜひ比較検討してみましょう。
たとえば3Dプリントサービスでの部品費用が500円、金型費用が300万円、金型での部品費用が300円のものを1万個作る場合、下記のように3Dプリントサービスの総費用の方が安く仕上がります。
事例
3Dプリントサービス | 金型 | |
金型費用 | 0円 | 300万円 |
部品費用 | 500円 | 300円 |
量産個数 | 1万個 | 1万個 |
総費用 | 500万円 | 600万円 |
※ 計算式
3Dプリントサービスの総費用:1万個×500円=500万円
金型の総費用:300万円+1万個×300円=600万円
DMM.make 3Dプリントサービスで量産されたお客様からは、
「射出成形やアルミの簡易金型と比較しました。5,000個くらい作成できるもので、販売数量がどのくらいになるのか予測したところ、最終的に3Dプリントのほうが安いと判断しました」
といったコメントをいただいています。
ただし、量産するために3Dプリンター機材を導入すると1,000万円以上の初期投資や維持費がかかってしまいます。コストを抑えたいなら、3Dプリントサービスへの外注が一番です。3Dプリントサービスを活用して、コスト削減を実現しましょう。
3Dプリンターの内製と外注の比較について詳しく知りたい方はこちら↓
1.5ヶ月から3日に短縮!金型製作期間分の時間をスキップ
「金型の製作に時間がかかって納期に間に合わない」「納期を1か月以内に短縮したい」など、金型製作にかかる時間に悩んだことはありませんか? 3Dプリントなら、金型製作にかかる時間もスキップできます。
一般的に、量産部品の製造には金型が必要だ。金型はとても高価であり、製作に時間がかかる。例えば、PC用マウスほどの大きさの樹脂部品(1つ)にかかる金型費用は150万~200万円ほどで、金型の製作期間については1.5カ月程度見ておく必要がある。引用:「部品を作る」といっても単純ではない!? パーツ製作で知っておくべきポイント(MONOist)(最終閲覧日:2022/10/26) |
たとえば上記の事例では、PC用マウスの金型製作にかかるコストについて、費用は150〜200万円、期間は1.5か月程度かかってしまうと言われています。
他方、DMM.make 3Dプリントサービスなら、見積りから納品まで最短3日間で製作可能です。お見積りはWebから約1分で完了でき、そのままご注文もOK。製造後は国内にあるプリントセンターから日本全国送料無料でお届け。短サイクルのプロダクト開発のニーズにもお応えいたします。
3Dデータを変えるだけで、複数のデザインにも簡単対応
一度作った金型は形を変更することはできません。製作後に後戻りができないので、形状を決めるには時間もかかります。
他方、3Dプリントなら3Dデータを変えるだけで、複数のデザインに簡単に対応できます。金型を作り直すようなコストも発生しないため、試行錯誤の回数やデザインのバリエーションも増やせます。
従来工法では難しい複雑形状の量産も可能
3Dプリンターと金型や切削では、加工できる形状の特徴が明確に異なります。3Dプリンターの製造可能な形状的な自由度は非常に広く、中空形状やオーバーハングといった、金型や切削では困難な部位も製造することが可能です。3Dプリンターでしかできない、複雑な形状の製品を製造してみましょう。
3Dプリンター
中空箇所やオーバーハングの製造が可能です。重力で削れないようにするためにサポートが必要な場合があります。
機械加工
中空箇所は製造できません。またオーバーハングの製造には方向変更(段取り換え)が必要です。
より細かな情報は、こちらの記事を参照してください。
量産・最終製品向けの素材4選
量産や最終製品用の素材には、安定した造形精度と強度が求められます。チタン、MJF、レジン、ナイロンなどの3Dプリント用素材は、この要件を満たしています。用途やコストなど総合的に判断して、自社の製品にぴったりの素材を選びましょう。
チタン
最終製品の金属部品としての強度をもった造形が可能です。造形物には、チタニウムに対する一般的な加工を施すことが可能です。
MJF
マルチジェットフュージョン方式という新方式で用いられる素材です。製造物に異方性が出ないため、実用に耐える強度を出すことが出来ます。量産でもっとも使われている素材の一つです。
レジン
光造形方式を用いた樹脂材料です。高精細な仕上がり面はそのままに、既存の光造形樹脂材料よりもお安くご利用いただけます。大型の造形にも対応しています。
ナイロン
耐熱性と靱性に優れた樹脂のため、実用的なナイロン部品としての強度をもった造形が可能です。スナップフィット、タッピングネジなどにも適応しています。
量産や最終製品に3Dプリントサービスを活用している4社をご紹介
「量産や最終製品に興味はあるけれど、活用の仕方がわからず不安」「量産や最終製品の活用事例が知りたい」という方は多くいらっしゃいます。
3Dプリントサービスを活用して量産している企業は、どのような製品を、どのように量産しているのでしょうか?
この章では、DMM.make 3Dプリントサービスを量産や最終製品の製造に活用しているお客様をご紹介します。従来の金型や射出成形で抱えていた課題を、3Dプリントサービスによって解決している様子がうかがえます。
株式会社ジャパンヘルスケア
国内初のスマホで制作する「3Dプリンター製オーダーメイドインソール」を販売している、株式会社ジャパンヘルスケア。MJF素材のPA11でインソールを量産し、最終製品として活用しています。
オーダーメイドのインソールは、職人が石膏などを用いて一から型を起こす必要があり、従来の手法では時間とコストがかかっていました。職人や技術者がいなければ作れなかった複雑な形状のインソールでも、DMM.make 3Dプリントサービスによって量産を実現できました。
ビズステーション株式会社
販売管理ソフトウェアの開発販売サポートを主業としつつ、2017年よりコンシューマ向けのGNSS製品を販売開始したビズステーション株式会社。 現在はセンチメートル級GNSS販売が急成長し、2本目の柱になりつつあります。
3Dプリンターを導入する前には、量産用の金型を何個か作っていましたが、コストが負担になっていました。DMM.make 3Dプリントサービスを活用することによって、コスト削減を実現しただけでなく、偏肉の許容性向上や、樹脂特有のヒケ・反りがでないといった造形上のメリットも生まれていました。
アスモ株式会社
自動車用・家庭用ケミカル用品の製造販売を行う、株式会社ソフト99コーポレーションのグループ会社、アスモ株式会社パナックス事業部。ソフト99コーポレーションの革新的で常に市場に驚きを与える商品開発の一翼を担い、樹脂製品のプロダクトデザイン・商品開発・設計を行っています。
3Dプリンターを導入する前は、モデリングのすべてを試作専門の会社に依頼していましたが、切削加工による試作コストが課題でした。DMM.make 3Dプリントサービスの活用でコスト高を解決しつつ、クオリティ面でも満足のいく仕上がりになりました。試作から最終製品に至るまでの活用事例といえます。
有限会社kt-s
IoT機器やBluetooth基板、プラスチック用品の機構設計・開発をされている有限会社kt-s。プラスチック商品やファームウェアの開発、プロジェクトのディレクションを得意としており、グッドデザイン賞(GOOD DESIGN AWARD)を受賞した商品も手掛けています。
3Dプリンターの導入前は切削加工などを外部に依頼しており、かかる時間が課題となっていました。DMM.make 3DプリントサービスでナイロンやMJFを利用することによって、業務スピードが改善されました。
量産・最終製品の製造を依頼するならDMM.make 3Dプリントサービス
DMM.makeは2013年から受託造形サービスを開始し、現在までにプライム上場企業など1,000社を超えるお客様との取引実績があります。量産・最終製品の3Dプリントにも、ぜひご利用ください。
業界最安値級の価格を実現
3Dプリント黎明期からサービスを運営してきたノウハウを活かし、一般的な3Dプリントにかかる費用の約1/3で受注が可能です。高額で諦めていた企業様にも取り入れていただきやすい価格設定が大きな魅力です。
素材は金属・非金属の両方を選べる
DMM.makeは業界最大級の25種類以上の素材を取り扱っています。金属・非金属の両方を選べるため、さまざまな試作の種類に対応できます。
法人向け簡易見積りサービス
DMM会員登録不要で使用でき、3DモデルデータをWebにアップロードするだけで誰でも簡単に見積りが可能です。
請求書払いも可能
法人のお客様は請求書払いが可能です。様々な業種・業態の企業様にご利用いただいております。支払業務が月に1回で済むため効率的です。
お急ぎの時は「即納サービス」がオススメ
通常よりも早くお手元にお届けするサービスです。最短翌日発送にて対応可能です。
便利なサービス一覧
お客様がアップロードした3Dデータは技術スタッフが確認し、確実に造形できるデータに修正するサービスや、造形方向の細かなチューニングが行えるオプションもご用意しております。
個別見積りや納期調整など専任スタッフが直接お応え
専任のサポートスタッフがお客様の要望に直接応え、個別見積りや納期調整を行いますので、安心してご依頼いただけます。
まとめ
3Dプリンターは試作だけでなく、最終製品作成にも活用できます。量産や最終製品に向いた素材としてチタン、MJF、レジン、ナイロンなどあり、これにより従来の金型製造のコストや納期の課題が解決できます。
3Dプリントサービスを利用すれば、10000個未満の量産は金型製作より安価になるだけでなく、製作期間も大幅に短縮できます。デザインの変更も簡単にでき、複雑な中空構造も叶います。
DMM.makeは一品から量産まで気軽に3Dプリントを利用していただきたいとの思いから、出力代行サービス(外注)をおこなっています。一般的な国内3Dプリントサービス費用の約1/3でお気軽にお試しいただけます。
3Dプリンターで量産して、品質向上・コスト削減・納期短縮・これまでにないデザインを実現しましょう!